東武東上線志木駅東口から市役所までの本町通りに設置された「絵画付き防災用品収納ベンチ」に飾られる絵画デザインを担当したメディアコミュニケーション学科2年の植原諒子さんが、同市の本町地区まちづくり会議(久保田法男会長)から表彰された。3月13日、お披露目を兼ねた表彰式が行われ、久保田会長や香川武文市長から感謝状が手渡された。
ベンチは、まちづくり会議が9つ設置した。防災目的と併せ地域に親しみを持ってもらおうと、それぞれのベンチには「志木駅」「桜」「カッパ」など志木市にちなんだ風景画がデザインされている。絵は市内の保育園児から小、中、高校生が分担し、植原さんも近隣大学の学生として引き受け、1カ月ほどかけて完成させた。
表彰式に先立ち9つのベンチのお披露目を兼ねた見学会も行われた。植原さんは、香川市長からこだわった点を聞かれ、「テーマがイルミネーションだったので、静かなイメージで仕上げました。志木市のキャラクター3体も取り入れて、遊び心を付け足しました。どこに隠れているか楽しみながら探していただければと思います」と答えていた。
ベンチには、実際の風景に仮想映像を映し出すことができるAR(仮想現実)アプリのICタグがあり、ベンチの絵をアプリで映すと、志木市のキャラクター「カパル」が写り、ベンチにより違ったポーズが楽しめる。さらにベンチの真ん中にある番号を写すと、昭和時代の志木市の映像が流れ、昔と今の時代を映像で振り返ることもできる。
一人ひとりに感謝状を手渡した香川市長は「ベンチ1つ1つに描かれている絵から、みなさんの思いや温かみが伝わってきます。ARアプリも組み合わせて、画期的なものになった。ベンチを新たな観光資源にしていきたい」と感謝の言葉を述べた。
(記事・写真=ライターデザイン同好会 中村有香)