7/6(土)、文芸文化アカデミー「日本文化との出会いから30年~次世代に伝えたいこと~」を開催しました。
語学教育セクター シーラ・クリフ教授を講師とし、文芸文化学科 落合 真裕准教授をコーディネーターとして、一般・学生を対象に行いました。
冒頭は、生まれてから来日して着物に出会うまでのシーラ先生の半生について語られました。幼い頃、同じ服を着て過ごすことが多かったため、ファッションに対する憧れとこだわりを強く持つことになったシーラ先生は、やがて美術に関心を持ち、風景や、人間と服装の絵画を描くようになりました。来日してからはスポーツに打ち込み、自転車で山へ出かけることが多かったとのことです。
初めての着物は衝動買いのような形で手に入れ、着付けの仕方は後から勉強することになりました。英語教師の仕事や、大学での勉強と同時に、染物の勉強と着付けの勉強をすることになり、大変な思いをしながら学んだとのことです。
着物について知識を積んだシーラ先生は、お子様の七五三の着物をご自身で作りました。その時の経験が、着物の研究において有意義なものになったと語りました。
その後、七五三や成人式などの着付けを頼まれる機会が増えたとのことです。着物のファッションショーへも積極的に参加し、企画に加わってショーの運営に関わることも。また、海外で着物の人気が出てきたため、海外での研究・発表や、展示・ワークショップへ参加する機会も増えたとのことです。
シーラ先生は、大学においても着物の普及活動を行っています。前日7/5に行われた七夕のイベントでは、希望する学生が着物で一日過ごせるよう支援しています。
2017年には、着物文化について発表した論文を元にした書籍「The social life of KIMONO」を著作。更には、言葉ではなく写真で着物の良さを表現した「SHEILA KIMONO STYLE」の発刊について説明がありました。1年間苦労しながら季節感のある着物写真を撮りためたとのことです。
また、個性派アーティストとのタイアップによる着物写真集も発刊しています。
純粋に着物の良さや美しさを伝えたい為に、書籍制作にも取り組んでいると語りました。
今後は、新しいブランドの応援や、埼玉や京丹後の着物の産地研究に向けて取り組んでいくとのことです。
最後に、若者に着物の良さについて考えてもらいたい、とのメッセージがありました。
ファッションとしての良さ・楽しさ、日本人としてのアイデンティティ、家族の歴史、日本人の服装・民族衣装、100年着ることができること、といった点で着物がいかに優れているか考えて欲しいと語りました。
▼文芸文化学科
http://www.jumonji-u.ac.jp/department/culture/index.html
▼七夕イベントの様子:十文字学園女子大学 Facebookページ