ネパール出身のアルン・シュレスタ(Shrestha Arun K.)さん。1964年4月17日生まれで、出身地はネパールのチートン。首都から135キロ離れている地域である。貿易会社に勤める一方、現在は飲食業を営んでいる。好きな食べ物は、お寿司とラーメン。日本は生ものが美味しいのでお刺身も大好物だ。「ネパールも日本も捨てられない」と力を込めるシュレスタさんから国際的に生きるセンスを学んだ。
(取材班 坪田純奈,鈴木詢奈,チンシイ,福嶋南美)
友達を大事にと熱く語るシュレスタさん
―― 新座に住もうと思ったきっかけは何ですか?
シュレスタさん 1992年に日本に初めて来ました。1997年からずっと日本に住んでいて、最初の5年くらいは東京に住んでいました。ですが、ネパールでは元々木が多く広い田舎に住んでいたので、ビルや人が多く木が全然見えない東京ではなく、木が多くて静かな所に住みたいと思いました。山手線沿線の色々な所に行きましたが、都心から離れてみると、静かで自然豊かな田舎が新座にありました。この場所が良いと思い、東京にも近い新座の栗原にずっと住んでいます。
―― 新座での毎日の生活やお仕事について聞かせてください。
シュレスタさん ネパールでは日中間の貿易の仕事をしていました。友達に日本で貿易の仕事をした方がいいと言われ、日本で仕事をしはじめました。
名刺を出して自己紹介するシュレスタさん
―― これから新座や日本でやりたいことはありますか?
シュレスタさん
人間として生まれた以上、何かしたいという気持ちは誰でも必ず持っていると思います。どこまでできるかはまた別問題ですけどね。日本のいいところは、そうですね、やはり世界のどこに行っても、日本みたいに静かで安全な国はないと思います。ヨーロッパよりも、アメリカよりも。いろいろな国を旅してきたけれど、自分の国よりも日本のほうが住みやすいです。でも日本は物価が高いと思います。とはいっても、ほかの国も物価が高くなっていますから、日本の物価もそんなに高いとは感じなくなりました。
今、日本に住んでいて、年に何回も日本とネパールを行き来していますが、どちらも捨てられません。日本の良いものを外国に紹介して、外国のいいものを日本に仕入れて、どちらの国のためにもなるようなことをしたいです。外国のいいもの、食べ物や調味料を仕入れ、日本人の口に合うように作って販売するのが、今日の目標になっています。
―― 日本と母国の違いは何ですか。
シュレスタさん 日本のいいところはたくさんあります。最初は自分が外国人として生活することが大変でした。例えば、ネパールでは家を借りることは簡単にできますが、日本では住むところを借りたい時や何かをしたい時は、日本人と一緒でないと出来ませんでした。また、家も日本人向きに作られているので、外国人にとって使いづらい部分がありました。
―― 母国の素晴らしい所を教えてください。
シュレスタさん 同じ国でもネパールには中国系とかインド系とかいろいろな顔の人や民族がいます。それが一番のポイントだと思います。
―― 最後に、私たち学生に伝えておきたいことはありますか?
シュレスタさん 学生時代にはたくさん友達を作り、色んな所に行っておくことが大事だと思います。また、大人になったら自分のことは自分でやらないといけない。親も友達も先生もずっとついて来てくれる訳ではないのですから。大学を卒業して、社会へ出たとき自分でやっていく事が多くなります。これから色々問題もあるかもしれないけれど、頑張っていくことが大切だと思います。
取材終了後,シュレスタさんと共に
インタビューを終えて
◇外国の方にしか分からない苦悩があり大変さを感じました。人とのつながりの大切さを実感しました。(坪田純奈)
◇自分では感じなかった事をシュレスタさんは感じていて、あらためて日本を知り、外国との文化の違いを実感しました。(鈴木詢奈)
◇このたび撮影を担当させていただき、本当に楽しかったです。「ザ・ビジネスマン!」という感じのシュレスタさん、とても格好良かったです。(チンシイ)
◇自分はまだ世界の人との交流がないですが、違う国に住むことの大切さや苦労したことを詳しく聞けて良かったです。(福嶋南美)