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十文字女子大のモットー:あかるく、つよく、なかよく、なむ2 あかるく、つよく、なかよく、なむ2。なにこれ?もしかしてお経?いいえ。ヒントは、十文字学園の建学の精神を表す学園歌「身をきたへ 心きたへて 世の中に たちてかひある 人と生きなむ」です。何故かはおいて先へ進みます。 この学園歌は多分、日本一短い学園歌の一つです。三十一文字の中に共感が得られる人の生き方をわかりやすく端的に表現しており、大学学則は建学の精神としてこれを明示しています。学園歌を謳い込んだ学則は稀です。この建学の精神は百年近く経ても色あせず、この先もずっと生き続くでしょう。 若い方にはやや馴染みにくいいにしえ言葉ですが、「体と心を鍛錬し、生き甲斐をもち、自立した人間として、みんなと共に生きてゆきます。ぜひそうしてくださいね。」、私はこんな風に解釈しています。 では自立した人間とは?人間という漢字には“じんかん”という読み方があり、文字通り人と人の間、人間関係、社会、世の中を意味します。つまり、人間とはヒトという生物個体というよりは、社会的存在です。社会の一員として、みんなとなかよく、ふつうにしっかり生活している、それが自立した人間だと思います。 このように生活できれば、仮にささやかでも、生きる喜びや幸福感、つまり生き甲斐を感じられるはずです。前向きに、あかるく、なかよくが社会人力向上の基本です。 でも、体や心が丈夫でないと、とてもじゃないけど無理。鍛錬がこれに打ち克ちます。金属を強く熱して不純物を除くことを錬(れん)、金属に力を加えて丈夫にしたり、変形加工することを鍛(たん)といいます。鉄は鍛錬を経て、潜在的な能力(伸びしろ)が生かされて、強靭な刃金や自動車のボディーに変身します。鉄にできることが人間にできないはずがありません。鍛錬また勉強、強くなるよう勉めることで伸びしろが生き、能力が高まります。鍛(きた)えは当て字で書けば喜多恵、伸びしろを生かし、喜びを多くもたらします。 十文字女子大の鍛えの場は学内の授業や課外活動、職員による指導・支援だけではありません。本学は地域に根差した大学として、新座市はじめ近隣自治体・地域社会等との連携協力に努めています。学生達は地域活動をとおして自治体や地域の皆さんを先生・先達として多くを学んでいます。 さて、学園歌の最後のなむには二つの意味があります。一つは、本人の強い意志、もう一つは誂(あつら)えの助詞として相手に対する願望を表します。これがなむ2の理由です。ですから、学園歌は「・・・と生きてゆきます。ぜひそうしてください。」という教わり育つ学生と、教え育てる教職員や地域の皆さんとの交感、心と心の交流を表しています。 十文字女子大卒業生の就職先の方達からは、卒業生の素晴らしさとして、あかるく、つよく、へこたれず、なかよくできることが挙げられています。冒頭のモットーのもと、学園歌の理念が実践され、社会人力が育まれている証だと思います。このような本学のよさに共感し、魅力を感じて進学を志し、仲間が増えることを願っています。学長メッセージ【略歴】1972年東京大学医学部保健学科卒業、1977年東京大学医学系研究科博士課程保健学專攻修了(保健学博士)、1977年東京大学医学部保健学科助手、1978年東京大学大学院医学系研究科保健学専攻助手を併任、1980年~1982年コーネル大学/ニューヨーク州立獣医科大学生理部門 リサーチアソシエート、1994年十文字学園女子短期大学家政学科食物栄養専攻教授、2002年十文字学園女子大学人間生活学部食物栄養学科教授(改組により)、2010年十文字学園女子大学副学長 大学院人間生活学研究科食物栄養学専攻教授・専攻主任、2014年ベトナム国ハノイ医科大学客員教授、2017年十文字学園女子大学学長十文字学園女子大学 学長志村 二三夫17

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