真実性の錯覚illusion truth effect
繰り返し聞くうちに
- たとえば…
- ウナギと梅干の食べ合わせは悪いと子どもの頃から何度も聞いていたので、てっきり本当だと思った。
以下の記述は正しいでしょうか?あなたの考えに最も近いものを1つ選んでください。
(1) リチウムは最も軽い金属元素である。
- 確実に正しい
- ほぼ確実に正しい
- おそらく正しい
- もしかすると正しい
- 間違い
(2) 中華人民共和国は1974年に建国された。
- 確実に正しい
- ほぼ確実に正しい
- おそらく正しい
- もしかすると正しい
- 間違い
Hasher, Goldstein, & Toppino(1977)を一部改変
例題(1)と(2)に対して、あなたはどのように答えましたか?
実際には、例題(1)の記述は正しく、例題(2)の記述は間違っていました。しかし、その情報が本当に正しい場合も、間違っている場合も、その情報を繰り返し聞くことで、その記述が正しいという確信が徐々に強まることが実験によって示されています。
このように、同じ情報に繰り返し触れることによって、実際の正誤に関わらず、その情報が真実であるように感じられる傾向を、真実性の錯覚と言います。これは、情報が反復提示されることで、その情報の処理が容易になることが原因となって生じる錯覚だと考えられています。
【参考文献】
Hasher, L., Goldstein, D., & Toppino, T. (1977). Frequency and the conference of referential validity. Journal of verbal learning and verbal behavior, 16, 107-112.