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利用可能性カスケードavailability cascade

どんどん、大ごとに

たとえば…
ニュースで、ニューヨークでテロが起きたことを聞いた。しばらく海外旅行は避けようと思う。

考えてみよう

(1) 仮に、テレビや新聞などさまざまなメディアを通して、この半年のうちに乳製品の値段が現在の1.5~2倍まで高騰するとの情報が流れてきたとします。また、そのことを知った人たちがスーパーなどで乳製品を買い求める様子を映像で見たとします。
あなたの生活において普段から乳製品が欠かせないとしたら、あなたはどのような行動をとりますか。

  • すぐにお店にいき、いつもより多く購入する
  • 特になにもしない

(2) 上記の選択をしたのはなぜですか

(        ) から

解説

ここでは(A)「すぐにお店にいき、いつもより多く購入する」と答える人が多いかもしれません。過去に似たような出来事があったことを思い出した人もいるでしょう。

あるニュースがメディアを通して繰り返し流されると、そのニュースに対する人々の注意や関心は高まり、またその様子(例題では、多くの人が乳製品に殺到している様子)がメディアを通して報道されると、さらに人々の不安や危機感は煽られるかたちになります。このような心理的な連鎖反応は利用可能性カスケードと呼ばれ、時に社会現象となったり、政府による介入につながるなど、大規模な騒動に発展することもあります。カスケードとは、連なった小さな滝という意味です。この現象で問題となるのは、人々が、不安や危機感の対象(例題では、乳製品の高騰)の実態を理解しないまま、あるいはエビデンスをきちんと確認しないまま、情報に煽られて誤った方向に行動してしまうことでしょう。

【参考文献】
Kuran, T. (2007).Availability Cascades and Risk Regulation. University of Chicago Public Law & Legal Theory Working Paper No. 181.

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