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デフォルト効果default effect

わざわざ変更はしない

たとえば…
配信中止の手続きをしていないので、3年前に一度だけ利用したインターネットショップから、いまだにメールマガジンが届いている。

考えてみよう

次の図は、さまざまな国の臓器提供の同意率を示したものです。

左の4か国(デンマーク、オランダ、イギリス、ドイツ)と右の7か国(オーストリア、ベルギー、フランス、ハンガリー、ポーランド、ポルトガル、スウェーデン)の間には、同意率に大きな差があります。これはなぜだと思いますか。

Johnson & Goldstein (2003)より作成

解説

同意率の違いを引き起こしている主たる原因は、その国の国民一人一人が臓器提供について意思表明をする際の初期値(デフォルト)の違いです。同意率が低い国では臓器提供をしてもよいという人が意思表明をすることになっているのに対し(これをオプトイン方式といいます、日本もこの方式です)、同意率が高い国では臓器提供をしたくないという人がそのことを意思表明をする(これをオプトアウト方式といいます)ことになっています。どちらの方式を採用している国でも、臓器提供をするか否かは個人の意思によって決められますが、初期値と異なる選択をする場合には、その意思を表明するために、何らかの手続きをとらなくてはなりません。しかし私たちは、初期値が設定されると、そこからあまり変更をしようとしません。そのため、初期値のままの状態の人が多数を占めるのです。これには単に変更が面倒だということに加え、リスクや失敗を恐れて現状に留まる、現状維持バイアスも関係していると考えられています。

関連記事:現状維持バイアス

【参考文献】
Johnson E. J, & Goldstein D. (2003). Medicine - Do defaults save lives? Science, 302, 1338-1339.

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