グーグル効果Google effect
グーグル先生がいるから大丈夫
- たとえば…
- そうだ、ネットで検索してみよう。あれっ、このページ、前にも読んだことがあるような。
次のことは普段のあなたの考えや行動にあてはまりますか。
(1) わかないことは、すぐにインターネットで調べるようにしている
- あてはまる
- あてはまらない
(2) インターネットで調べた情報は、自分の知識向上につながると思う
- あてはまる
- あてはまらない
(3) 検索したページを見て、以前にも検索したことを思い出すことがある
- あてはまる
- あてはまらない
(4) 欲しい情報はいつでもインターネットで検索できるので、情報をいちいち保存しない
- あてはまる
- あてはまらない
例題の(1)や(2)で自分に「A.あてはまる」と答えたひとは結構多いと思います。そのように答えたひとは、(3)や(4)でも「A.あてはまる」と答えたかもしれません。
実は、インターネットのサーチエンジンを利用してオンライン検索で容易に得た情報は忘れやすい傾向にあることが報告されています。こうした現象はグーグル効果、または、デジタル性健忘と呼ばれています。
グーグル効果と名付けたスパロウら(2011)の研究では、インターネットを利用できる参加者と利用できない参加者に分けて雑学などの問題を出し、その後記憶課題を行った結果、インターネットを利用できた参加者のほうが、問題の内容に関する再生率が低いことが分かりました。ただし、どこにアクセスすればよいかの再生率は高かったということです。
この現象は、現代特有のバイアスと言えるかもしれません。私たちは本来自分の脳に蓄えるべき「知識」を外部の記憶装置(例えば、インターネット上に情報があること)で済ませてしまうことがあるようです。
【参考文献】
Sparrow, B., Liu, J., & Wegner, D. M. (2011). Google effects on memory: Cognitive consequences of having information at our fingertips. Science, 333, 776- 778.
Wegner, D. M & Ward, A. F. (2013). How Google Is Changing Your Brain
https://www.scientificamerican.com/article/the-internet-has-become-the-external-hard-drive-for-our-memories/ (2020年1月25日アクセス)