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セルフ・サービング・バイアスself-serving bias

これは誰のせい?

たとえば…
選手が大会でいい成績を残せたのは、何よりもコーチである私の指導がよかったからだ。

考えてみよう

あなたは、大事な試験で予想以上に悪い点数をとってしまったとします。その原因は何だと思いますか? あなたの気持ちに近いものを1つ選んでください。

  • 能力が足りなかった
  • 努力が足りなかった
  • 出題者が意地の悪い問題を出した
  • 隣の人の文字を書く音がうるさくて集中できなかった

解説

例題の質問の選択肢のうち、(A)や(B)と答えた人は、試験で失敗した原因を自分自身、すなわち自分の内側に求めているのに対し、(C)や(D)と答えた人は、失敗の原因を他者や環境という自分の外側の事象に求めています。物事の原因を何かに求めることを原因帰属(もしくは単に帰属)と言い、人は起こった出来事について自分に有利な原因帰属をしがちなことが知られています。

たとえば、成功したとき(試験で良い点数をとったときなど)は自分の能力や努力のおかげと考えますが、失敗したとき(悪い点数をとったときなど)は他人のせいや環境のせいにするといった具合です。これをセルフ・サービング・バイアス、もしくは自己支援バイアスと言います。

随分、都合のよいバイアスですが、このバイアスがあるおかげで、自信を失わず、心穏やかな毎日が生活できるのだとも考えられています。ただし、セルフ・サービング・バイアスには文化差があり、日本人を対象とした研究では、このバイアスが観察されにくいという指摘もあります。

【参考文献】
Miller, D. T & Ross, M. (1975). Self-serving biases in the attribution of causality: Fact or fiction?. Psychological Bulletin 82: 213-225.
北山 忍 (1998). 自己と感情-文化心理学による問いかけ 日本認知科学会(編) 認知科学モノグラフ9 共立出版

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