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アンビバレント・ステレオタイプambivalent stereotype

オモテとウラ

たとえば…
あの人は、確かに仕事はよくできるが、その分、性格が悪いと思う。

考えてみよう

世間一般から見た「医者」のイメージについてお尋ねします。

(1) 「医者」になる人の能力は、どの程度、高いと思われているでしょうか。

(2) では「医者」になる人の人柄は、どの程度、良いと思われているでしょうか。

いずれの質問にも1点(まったく思われていない)から5点(非常に思われている)の間で答えてください。

解説

ステレオタイプ内容モデルによると、ステレオタイプは「人柄が良い-悪い」という人柄の側面と、「能力が高い-低い」という能力の側面の2つの次元の組み合わせによって表されます。ただし、集団のステレオタイプの内容が2つの次元ともに高い(人柄も能力も高い)、もしくは低い(人柄も能力も低い)ものとなることはまれで、一方の次元が高くなると、もう一方が低くなることが一般的です。このように2つの側面で相反する評価が共存しているステレオタイプを、アンビバレント・ステレオタイプといいます。たとえば、例題にある医者の場合、「能力は高いが人柄が悪い」といったイメージを、世間一般には持たれやすく、反対に高齢者などは、「能力は低いが人柄は良い」というイメージを持たれやすいことがわかっています。

ある集団のステレオタイプがどのようなものになるかは、自分が所属する集団と、その集団がどのような関係にあるかによって変わります。競争的な関係にあったり、自分たちよりも上の立場にある集団のメンバーには「人柄は悪いが能力が高い」というステレオタイプを抱きやすいのに対し、競争的な関係になく、自分たちよりも下の立場にある集団に対しては「人柄は良いが能力が低い」といったステレオタイプを抱きがちです。「人柄が良い」というステレオタイプは、一見すると、好意的な評価のようですが、その裏に「能力が低い」という評価が隠されているのだとすれば、偏見につながる可能性も否定できないでしょう。

関連記事:ステレオタイプ

【参考文献】
Fiske, S. T., Cuddy, A. J. C., Glick, P., & Xu, J. (2002). A model of (often mixed) stereotype content: Competence and warmth respectively follow from perceived status and competition. Journal of Personality and Social Psychology, 82, 878-902.
Cuddy, A. J. C., Fiske, S. T., Kwan, V. S. Y., Glick, P., Demoulin, S., Leyens, J. P., Bond, M.H., Croizet, J.C., Ellemers N., & Sleebos, E. (2009). Is the stereotype content model culture-bound? A cross-cultural comparison reveals systemiatic similarities and differences. British Journal of Social Psychology, 48, 1-33.

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