志村二三夫
学部長・教授
志村二三夫
担当教科
解剖生理学、解剖生理学実験、人間生活生理学、分子栄養学

管理栄養士養成施設の教員として、学生また社会からのニーズに応えられるような研究のあり方を探っています。 本学の置かれた状況から見て、学術研究一辺倒という訳にはいきませんが、 教育のみに徹するというのも教員の資質向上を著しく制約すると思います。 月並みですが、教員の使命とされる教育・研究・社会活動という三本柱のバランスを保ち、相互に関連づけた取り組みが大切だと信じています。 ここでは、その三つの概略を示します。
  1. 教育活動
    授業担当科目は、解剖生理学、解剖生理学実験、人間生命科学、人間生活生理学、分子栄養学、食と育、卒業研究です。また学位授与機構認定専攻科の生命科学特論、解剖生理学特論T・U、食物栄養学演習T・U、特別研究を担当しています。 本来の専門の生化学や栄養学とは毛色の違う科目も担当するので、これらの教授法や教材作成等の教育研究を進めています。
  2. 研究活動
    現在、次のようなテーマに取り組んでいます。
    1. 人間栄養学の重点化を基盤とする栄養士・フードスペシャリスト養成教育の展開
    2. 栄養士養成教育への遺伝子解析実習の導入に関する教育研究
    3. 新開発食品の安全性確保に関する研究
    4. シグナル栄養素としての亜鉛の生理機能に関する研究
    5. 中枢神経系局在性のカルシウム結合タンパク質の性質:とくにその分子多様性について
    3・4の研究については、研究室所属の大学評価・学位授与機構認定専攻科の学生達が熱心に取り組んでくれて、大事な、また面白いことがいろいろとみつかっています。
    例えば、心の生活習慣病ともいえるうつ病や痴呆、不安などの症状改善に有効なハーブがあり、健康食品などの形で利用されています。 ハーブは薬用植物の仲間といえますが、有用性ばかりでなく、安全面での問題が少なくありません。 よくご存知の中国製の偽ダイエット食品による健康被害にも、ハーブの有害作用が絡んでいるようです。 こうしたハーブの有害性を、ヒトでの被害が生じる前に調べるための方法を探る過程で、 チトクロームP450という薬物代謝酵素の遺伝子発現を指標にする検査が有用であることが徐々に明らかになっています。
    また、シグナル栄養素という独自のそして新しい視点から亜鉛の研究に粘り強く取り組んできた結果、 いくつかの遺伝子の発現が亜鉛によって調節されていることが次第に解明されつつあります。
    学生が積極的に、そして効果的に学習する"積極学習"の重要性が指摘されていますが、 効果的な学習は教員が研究を行うことと極めて類似しているので、米国では教員に対して、学生に研究の仕方を教えるように勧めているそうです。 研究上の試行錯誤や、学会での発表等の経験を生かして、学生達は徐々に "積極学習"の習慣を身につけているようです。 彼女達の頑張りに応えるためにも、早く研究成果の公表にこぎつけたいものです。
  3. 社会的活動
    1. 厚生労働省薬事・食品衛生審議会専門委員
    2. 近県栄養士会主催の管理栄養士国家試験受験準備講習会の講師として、栄養士の皆さんをサポート(生化学・栄養学・臨床栄養学担当)
    3. 日本サプリメントアドバイザー認定機構の認定委員として、サプリメント等のアドバイザリースタッフの養成に寄与(公衆衛生学担当
    4. その他
    こうした社会的活動の実践には教育や研究活動の経験がとても役に立ち、 また逆に、社会活動で培ったことが学術研究はもとより、教育の場面でも大いに生きてきています。
原著論文・著書
  1. 消化・吸収 ―基礎と臨床―,細谷憲政 監修,武藤泰敏 編著,第一出版,2002(分担執筆)
  2. 基礎栄養学,江指隆年・中嶋洋子 編著,同文書院,2002(分担執筆)
  3. 生化学,奥恒行・高橋正侑 編著,南江堂,2003(分担執筆)
  4. サプリメントアドバイザー必携,日本サプリメントアドバイザー認定機構 編,薬事日報社,2003(分担執筆)
  5. 脳機能と栄養 ―食べ物と行動の科学―,横越英彦 編著,幸書房,印刷中,2003(分担執筆)
その他




栗ア純一
教授
栗ア純一
担当教科
食品学I、食品化学、食品加工学、食品化学実験、食品加工学実習

 食品加工学研究室は「食べ物と健康」領域での教育・研究の一端を担っています。講義、実習では、食品に関する基礎から応用までの 幅広い科学的知識と食品加工関連技術に関連する知識が無理なく身につくよう工夫しています。また、高度な医療・食品産業の一翼を 担う人材となるよう卒業研究を指導しています。
 研究面では、食品タンパク質やそれらに由来するペプチドの食品機能開発と利用を目的とした食品生化学研究を進めています。 また、食物アレルゲンタンパク質の低アレルゲン化や、新たな食品分析法を目指したイムノアッセイ法等の開発・改良にも取り組んでいきます。
原著論文・著書
原著論文 (2003-2007)
1. Shinohara H, Horiuchi M, Sato M, Kurisaki J, Kusakabe T, Koga K, Minami Y, Aoki T, Kato I and Sugimoto Y (2007): Transition of ovalbumin to thermostable structure entails conformational changes involving the reactive center loop. Biochimica et Biophysica Acta 1770, 5-11.
2. Morita H, He F, Kawase M, Kubota A, Hiramatsu M, Kurisaki J and Salminen S (2006): Preliminary human study for possible alteration of serum immunoglobulin E production in perennial allergic rhinitis with fermented milk prepared with Lactobacillus gasseri TMC0356. Microbiology and Immunology 50(9), 701-706.
3. He F, Morita H, Kubota A, Ouwehand AC, Hosoda M, Hiramatsu M and Kurisaki J (2005): Effect of orally administered non-viable Lactobacillus cells on murine humoral immune responses. Microbiology and Immunology 49(11), 993-997.
4. Shinohara H, Iwasaki T, Miyazaki Y, Matsuo K, Aoki T, Matsumoto M, Oka T, Kurisaki J, Mizumachi K, Kusakabe T, Koga K and Sugimoto Y (2005): Thermostabilized ovalbumin that occurs naturally during development accumulates in embryonic tissues. Biochimica et Biophysica Acta 1723: 106-113.
5. Kimoto H, Mizumachi K, Okamoto T and Kurisaki J (2004): New Lactococcus strain with immunomodulatory activity: Enhancement of Th1-type immune response. Microbiology and Immunology 48(2): 75-82.
6. 川口真紀子, 塩見了平, 田畑堅吾, 小菅喜昭, 水町功子, 栗ア純一(2004): スエヒロタケ(Schizophyllum commune Fries)菌糸体の経口摂取によるマウスTh1免疫応答増進効果.日本食品科学工学会誌51(2): 102-105.
7. Mizumachi K and Kurisaki J (2003): Localization of T cell epitopes of chicken ovomucoid recognized by mice. Bioscience, Biotechnology and Biochemistry 67(4): 712-719.
8. Tsuji N, Mizumachi K and Kurisaki J (2003): Antigen-specific, CD4+CD25+ regulatory T cell clones induced in Peyer’s patches. International Immunology 15(4): 525-534.

著書
1. 栗ア純一、水町功子(2006):【分担執筆】卵類、乳類、p.525-546、食品図鑑(平 宏和総監修)、女子栄養大学出版部.
2. Mizumachi K and Kurisaki J. (2005): 【分担執筆】Chapter 21. Milk proteins, p.431-444 in 'Nutraceutical proteins and peptides in health and disease (Mine Y & Shahidi F eds)', CRC Press, USA.





佐藤文代
教授
佐藤文代
担当教科
栄養教育論I、栄養教育論II、栄養教育論実習I、栄養教育論実習II、臨床栄養学実習I、総合演習I、総合演習II、給食経営管理臨地実習

栄養教育研究室では、多くの人に食生活の大切さを理解・認識してもらい、 望ましい食生活を継続して実践することの重要性を発信しています。そのためフィールドの調査研究に基づいて得られたデーターから、実態を把握し、問題点を見つけ、 効果的な指導法(主に食事指導)等について研鑽を重ねています。 1つは、従業員約1500名の健康診断データーから、肥満者、非肥満者別に血液生化学検査有訴率を調べ、食事指導後にその効果判定をみます。 女性従業員については骨密度の測定も行い、出産、栄養、運動との関連をみていきます。 二つ目は、群馬県中之条町の65歳以上の住民を対象とした主に運動の介入研究((財)老人総合研究所プロジェクト調査の一員)に、 栄養調査の面から参加しております。 三つ目は本学および体育系女子大、名古屋の栄養士養成校の女子大生を対象とした生活全般、栄養、運動に関する調査です。 10代、20代の女子のやせ願望が大きく、エネルギーおよび微量栄養素摂取量の不足が、今後の妊娠、出産に及ぼす影響を懸念しています。 「習慣が人間の心と身体を作る」という事をよく理解し、特に食生活の面で健康作りに力が発揮できる人材の育成、科学的根拠に基づき(EBN)自分で考え、 問題解決のできる能力が学生一人ひとりにつくことを目指しています。
原著論文・著書
・形態からみた臨床栄養学 岸野泰雄、佐藤文代共著 弘学出版
・小児栄養学−子どもの発育と食事− 濱口恵子、小松啓子、佐藤文代 弘学出版
・新しい臨床栄養管理 渡辺早苗、寺本房子、佐藤文代、笠原賀子編 医歯薬出版




田中茂
教授
田中茂
担当教科
公衆衛生学、公衆衛生学実験、健康情報処理実習、病原物質・微生物学、微生物学実験
研究室へのリンク
研究業績などはこちらからどうぞ




濱口恵子
学科長・教授
濱口恵子
担当教科
人間生物化学実験、食品学II、食品化学実験、基礎栄養学、基礎栄養学実験

専門分野:栄養学栄養生化学 研究内容 基礎となる栄養素の生理的・化学的機能に重点を置き、栄養素が体内でどのような変化を受け利用されるかについて研究をしている。 いままでタンパク質や糖質の種類や量を変えて動物に投与し、体内の脂質とくにコレステロール量の変化について調べ、 また中鎖トリアシルグリセロールの血清および肝臓脂質におよぼす影響についても動物を用いて研究を進めてきている。 人に対しては栄養調査をおこない、思春期女子の肥満や高齢者の生活行動と食生活に関する調査研究をおこなっている。 また栄養士養成教育の一端として学生実験・実習に遺伝子解析の導入を試み、 遺伝子解析実習の導入と評価・ABO式血液型遺伝子実習プログラムの開発やチトクロームP4501A1の遺伝子解析実習にかんする教育研究などをおこなっている。 現在は亜鉛欠乏について動物を用いて研究をおこなっている。
原著論文・著書
小児栄養学−子どもの発育と食事−:濱口恵子・小松啓子・佐藤文代 弘学出版
小児栄養:濱口恵子・内藤博子・後藤玲子・中井雪江 東京教科書出版




森三樹雄
教授
森三樹雄
担当教科
病態生理学、健康管理概論、医学概論、健康科学概論、系統別疾病概論

講義内容:
管理栄養士として必要な各種疾患の原因・検査・治療法などの解説し、管理栄養士の 国家試験の高い合格率を目指しております。

管理栄養士養成施設の教員として、栄養と臨床検査 生活習慣病と栄養などについてついての研究 を行います。

研究分野 :
栄養と臨床検査 生活習慣病と栄養

現在、次のようなテーマに取り組んでいます。
生活習慣病の中で、糖尿病、肥満、高脂血症、高血圧症、メタボリックシンドロームの患者さんに ついて共同研究で細胞マイクロレオロジー装置で、全血液流動性を測定する予定です。 さらに栄養に関連する新しい臨床検査についての研究、栄養状態を把握できる臨床検査についての 研究に取り組んでおります。

所属学会 :
日本臨床検査医学会 日本臨床栄養学 日本臨床細胞学会 日本臨床検査自動化学会  日本臨床化学会

社会的活動:
日本臨床検査専門医会会長として臨床検査に関する専門職種である臨床検査専門医の活動を陣頭指 揮しております。また、学術団体である内科系学会社会保険連合の検査担当副代表として、2年ごと の診療報酬改定において内科系の103の加盟学会の要望まとめ厚生労働省および利用医師会に希望書 を提出し、保険の点数化に力を注いでおります。このほか、世界病理学・臨床検査医会学会連合 (WASPaLM)の前会長として、理事会の三役のひとりとして活動しております。2年毎の学術交流を目的 とした総会の立案、WHO、UNへの参加、発展途上国に対するセミナーの実施に協力しております。
原著論文・著書
森三樹雄監修:検査・検査値まるわかり事典. 西東社, 2005.
森三樹雄監修:検査・検査値早引き事典. 西東社, 2005.
橋詰直孝編著,臨床栄養に検査をどう生かすか,宇宙同八木書店, 2005(分担執筆)




山本誠子
教授
山本誠子
担当教科
調理学、調理学実習I、調理学実習II、調理学実習III

調理のこつを科学的に解明するため、組織構造の観察、官能検査、 テクスチャー特性、破砕特性や流動特性の測定を行い、きんとんやカスタードクリーム等をおいしく調製するための条件を検討する。 又食物のおいしさの一要因である基本味について水溶液とゲルの闘値と旨味一種についても検討を行う。
原著論文・著書
・山本誠子、前田由美子、小宮山富美江:梨もどき(酢煮じゃがいも)の調製に関する検討。調理科学、29:275-280、1996
・山本誠子、鈴木和歌子、鈴木香織里、山岸富美江、谷口沙奈絵、小林三智子:デンプンの種類の異なるいももちの物性と食味、調理科学、 33:242-249、2002
・飯田文子、市川芳江、堤ちはる、名倉秀子、三輪里子、山本誠子、吉中哲子:あすへの調理、弘学出版、神奈川、1998




長澤伸江
教授
長澤伸江
担当教科
公衆栄養学T、公衆栄養学U、公衆栄養学実習、公衆栄養学臨地実習、総合演習T、 総合演習U、食物栄養学演習、卒業研究

公衆栄養学研究室では、地域や職域における健康と栄養問題を社会的要因との関係で捉え疾病予防や健康増進に役立てたいと考え、 健康栄養調査などに基づいて得られたデータから、その集団の実態を把握し問題点を明らかにして、生活習慣改善の方向性を探っている。 研究内容としては1.「地域住民の健康関連QOLに食生活および身体活動量が及ぼす影響」を検討するため、住民を対象に、 食物摂取状況や生活習慣調査、体組成や健脚度調査などを実施して、食生活習慣と健康状態とのかかわりを明らにする調査研究に取り組んでいる。 2.「主介護者の栄養摂取状況と介護疲労感との関連」:在宅重度要介護者の主介護者の健康の実態と介護要因との関連を明らかにするための調査を実施している。 3.「大学生の運動と食行動の実態と意識に関する調査」:本学大学生を対象に運動習慣ならびに食行動の実態をアンケート調査し、 食意識との関連を検討している。
原著論文・著書
<論文>
・Association of White Blood Cell Count and Clustered Components of Metabolic Syndrome in Japanese Men ;Nobue Nagasawa, Koji Tamakoshi, Hideaki Toyoshima. Circulation Journal,Vol.68 No.10, 892-897、October 2004
・Long-Term Body Weight Fluctuation is Associated with Metabolic Syndrome Independent of Current Body Mass Index among Japanese Men;Huiming Zhang, Nobue Nagasawa, Hideaki Toyoshima. Circulation Journal Vol.69 No.1 13-18,January 2005
・Association between serum leptin concentration and white blood cell count in middle-aged Japanese men and women;Tomoko Mabuchi,Nobue Nagasawa, Hideaki Toyoshima. Diabetes/Metabolism Research and Reviews 2005;21:441-447
・健康診断結果にみる中年期男女の疾病複合に対するBMI相対リスク比の比較;川野因、鈴木惠子、川上 繁、久保田芳郎、長澤伸江、佐藤文代 肥満研究 Vol.11 No.1 p30-37 2005
・白血球数とMetabolic Syndromeの構成要素の集積との関連-某企業男性従業員における検討-;長澤伸江,杉崎惠子,川野因,佐藤文代 十文字学園女子大学人間生活学部紀要第3巻33-42頁(2005年)
・Validity of self-reported height and weight in a Japanese workplace population ;Keiko Wada,Koji Tamakoshi, Nobue Nagasawa, Hideaki Toyoshima. International journal of obesity (2005)29,1093-1099
・THE PHYSICAL ACTIVITY AND NUTRITIONAL INTAKE IN COMMUNITY−DWELLING ELDERLY:THE NAKANOJOSTUDY; MIKIKO MATUOKA,YUKARI KAWANO,NOBUE NAGASAWA,FUMIYO SATO,YUKITOSHI AOYAGI  Japanese journal of Physical Fitnessand Sports Medicine VOL.55 Suppl p199-p204, Oct.2006
・Eating Fast Leads to Obesity :Findings Based on Self-admini stered Questionaires among Middle-aged Japanese Men and Women;Rei Otsuka,Nobue Nagasawa,Hideaki Toyoshima Journal of Epidemiology Volume 16, Number3,p117-124,may 2006
・群馬県N町在住高齢者の加齢による身体栄養状態の変化に関する実態調査;森佳子、長澤伸江、佐藤文代、井上浩一、川野因  Journal of Agriculture Science, Tokyo University of AgricultureVol.52 No.4 p.161-166 March 2008

<著書>
・新公衆栄養学  山崎文雄、野間義明、長澤伸江、矢島麻由美:光生館 2006年4月
・公衆栄養学実習・演習  井上浩一,本田栄子,川野因,長澤伸江,他7名:建帛社2006年9月
・エキスパート管理栄養士養成シリーズ、公衆栄養学実習  上田伸男、太田たか子、長澤伸江、水嶋 春朔他:化学同人:2007年10月
・栄養食事療法の実習栄養アセスメントと栄養ケア(第7版)本田佳子・長澤伸江 他27名:医歯薬出版2008年4月




名倉秀子
准教授
名倉秀子
担当教科
給食経営管理論I、給食経営管理論II、給食経営管理論実習、総合演習I、総合演習II、給食運営臨地実習

「料理についての最古の文献はメソポタミアで発見された碑文のレシピである」と言われている。 食生活を考える上で、料理およびその作り方(レシピ)は社会や経済環境と深く関わり、時代のトレンドがあるのではないかと思う。 例えば食の画一化は現代の傾向であり、北海道や沖縄の料理(味)が東京において同じように味わえるなどがあげられる。 このように、料理から捉えた現代の食生活と今後の食生活の問題点や方向性を探ることをテーマとしています。 また、大量調理における調理科学的な検討も行っています。
  1. 非日常の料理(正月料理)の時系列変化や地域性
  2. 非日常の料理の簡便化や外部化について
  3. 給食の調理科学 (クックチルシステムにおける調理法の確立)
原著論文・著書
主な学術論文
名倉秀子,大越ひろ,茂木美智子,柏木宣久:正月三が日の喫食時刻の時系列分析,家政誌,50,361〜369p(1999)
名倉秀子:新潟県における旧家の記録,食文化誌Vesta 2001AUTUM第44号22p(2001)
主な著書
三輪里子,吉中哲子(編),飯田文子,市川芳江,堤ちはる,名倉秀子,山本誠子:あすへの調理,弘学出版(1998)
村山篤子,大羽和子,福田靖子(編),阿久澤さゆり,藤井恵子,名倉秀子,升井洋至,永山スミ:調理科学,建帛社(2002)




小林 三智子
准教授
小林三智子
 
担当教科
応用栄養学I、応用栄養学II、応用栄養学実習、臨床栄養学I、総合演習I、総合演習II

食べ物のおいしさには、食物の化学的・物理的性質と食べる人の生理的・心理的状態が複雑に関与する。 が、その中でも食物の味・匂い・テクスチャーが重要な要因となる。
本研究室では、食物の口腔内での食感、すなわちテクスチャーに関する研究を行っている。 また、食物を食べる側のヒトの味覚感受性に関しての研究を行っている。
これらの研究は、破断特性値やテクスチャー特性値等の客観的評価の値を機械測定により求め、 あわせて官能評価により主観的評価の値を求め検討している。
研究内容
  1. 20代女性味覚感受性の精神物理学的研究
  2. ゲル状、ゾル状食品の物性に関する研究
  3. 食品におけるおいしさに関する研究
原著論文・著書
<最近の主な論文>
1.Kobayashi M., Okada Y. and Toda K(2007).:Gustatory sensitivity in different regions of tongue in Japanese young women. J. Japan Dental Society of Oriental Medicine. (in press)
2.Kobayashi M. (2007) : Psychophysical study on gustatory sensitivity in Japanese young women. Thesis for the degree of Doctor of Philosophy. Nagasaki University.
3.小林三智子、田中茂、岡田幸雄、戸田一雄(2006):塩味抑制物質アミロライドのNaCl感受性に及ぼす影響.十文字学園女子大学人間生活学部紀要第4巻、81-89
4、小林三智子(2005):連載栄養指導の現場から 高齢者の低栄養状態防止を考える.保健の科学第47巻第6号、445-450
5.小林三智子(2005):ショ糖とグルタミン酸モノナトリウムの味の識別について.栄養学雑誌61巻4号、48
6.小林三智子、根岸幸江、土屋友美、山本誠子(2003):水溶液とゲルにおける基本味の閾値と呈味性について.十文字学園女子大学人間生活学部紀要第1巻、59-71

<最近の主な著書>
1.市丸雄平、岡純編著、小林三智子他著:マスター応用栄養学、建帛社(2006)
2.川端晶子、淵上匠子編著、小林三智子他著:おいしさの表現辞典、東京堂出版(2006)
3.小林三智子他著:応用栄養学改訂6版、南山堂(2006)
4.American Dietetic Association編著、渡邉早苗他監訳、小林三智子他翻訳:MANUAL of CLINICAL DIETETICS SIXTH EDITION .日本語版、第一出版、(2005)
5.武藤静子編著,小林三智子他著:新版ライフステージの栄養学―理論と実習―,朝倉書店(2003)
6.小林三智子他著:応用栄養学改訂5版,南山堂(2003)





井上久美子
講師
井上久美子
担当教科
臨床栄養学U、臨床栄養学V、臨床栄養学W、臨床栄養学実習U、総合演習T、総合演習U、臨床栄養臨地実習

 ヒトの栄養状態は生活習慣や社会環境によって大きく影響されることから、ライフステージ別にこれらの特徴や関連性を正しく把握し、改善すべき問題点を明らかにすることは、それぞれのライフステージにおける今後の疾病管理や予防を考える上で大変重要と考えられています。そこで、血液生化学値のような客観的指標とQuality of Life(QOL)に関わる質的評価などを含む主観的指標の両側面からライフステージ別の特徴を明らかにし、影響を及ぼす生活習慣や社会環境との関連性について検討を行っています。さらに、明らかにした問題点を改善し維持するために必要な、効果的かつ持続的な健康・栄養教育の実施・評価のシステム構築に取り組んでいます。
 たとえば小児を対象とした研究では、肥満状況と摂食状況、特に糖類摂取について異なる食環境間で比較を行い、食環境が栄養状態に及ぼす影響を検討しました。また思春期女性においては、QOLの低下を導く潜在性鉄欠乏状態の原因となる生活習慣の問題点を明確にし、改善するための健康・栄養教育の実施ならびに効果評価を行っています。
 また、より効果的な方法論が追及されている健康・栄養教育において、対象者自身が栄養状態の改善効果を客観的に把握することは教育効果を高め、生活習慣の改善と維持を可能にすることが知られています。そこで、擬似毛細血管モデルを用いた血液流動性測定装置による画像と、栄養素摂取状況や血液生化学値との関連性を検討し、ビジュアル教育媒体としての客観的有用性および有効性の評価を試みています。
原著論文・著書
主な著書
わかりやすい栄養学:吉田勉 編  伊藤順子、井上久美子、笠原賀子、小松渡、志田 万里子、篠田粧子、南道子、村上淳 共著  三共出版(2001)
食事と健康の科学−食べること〈食育〉を考える−:池本真二・稲山貴代 編著
井上久美子、大森玲子、高崎禎子、富永暁子、長橋雅人、村山伸子 共著 建帛社(2006)




コ野裕子
講師
コ野裕子
担当教科
栄養教育論実習I、公衆栄養学実習、総合演習I、総合演習II、臨床栄養臨地実習、公衆栄養臨地実習、給食経営管理臨地実習

専門分野
公衆栄養学を中心に
研究内容
  1. これまで若年女性における「隠れ肥満」について研究を進めてきました。隠れ肥満という言葉が使われ始めたのは1992年からだと思われます。 生体インピーダンス法による体脂肪率の測定が簡便にできるようになったと同時に、WHOによりグローバルスタンダードとしての肥満判定基準が設定されたことにより、 2000年日本肥満学会によりBMIの肥満判定基準が確立されたことで隠れ肥満の研究は進みました。 しかし、今なお定義はなくその成因も分かっていません。こういったことから今後も隠れ肥満について追求していきたいと思っています。

  2. 隠れ肥満と同時に若年者のインスリン抵抗性との関係についても調査しています。 また、その隠れ肥満やインスリン抵抗性を指標とし、生活環境の変化特に都市化との関連性について、 食生活を含むライフスタイル・心理的要因としてストレス・行動パターンといった要因との関連性について研究を進めていきたいと思います。

  3. その他として、明治以降からの歴史的資料から栄養学の変遷について調査しています。
原著論文・著書
宮裕子,本間健:若年女性の肥満状況と地域性−隠れ肥満とインスリン抵抗性−, 栄養学雑誌,59(6),277‐284,2001
Yuko Tokuno-Takamiya:Regional Differences of Dietary Habits and Psychological Factors in Young Non-Obese Women, Proceeding of 4th International Conference of Health Behavioral Science, 231-232, 2002
宮裕子,淺野牧茂:ライフスタイル・ストレス・行動パターンの関連性からみた若年女性の身体状況と地域性,日本生理人類学会誌,7(3),31-40,2002