キャリアは一直線ではなく
寄り道こそが力に
それが最高の物語となる

金剛株式会社
人間生活学部メディアコミュニケーション学科2018年卒業

三宅 理紗

どのように進路を決めましたか。
葛藤や迷い、不安はありませんでしたか。

私が自分の将来について本格的に考え始めたのは、大学3年生の冬でした。当時の心境を一言で振り返るなら、「やりたいことが多すぎて、一つに絞りきれない」という、贅沢ながらも切実な悩みの中にいました。

当時、私は有名コーヒーチェーン店でのアルバイトに心血を注いでいました。時間帯責任者として、店舗運営や後輩の育成に携わる中で、チームで働く面白さを肌で感じる毎日でした。その一方で、幼い頃からの出版・編集へのあこがれや、授業で触れた図書館司書、さらにゼミで没頭していたサウンドデザインへの好奇心も膨らむばかりでした。

「あれもこれも」と興味が拡散する中、周囲が「一直線の正解」に向かって内定を獲得していく姿を見て、私は強い焦りを感じていました。迷った末に出した答えは、「今、一番熱中している飲食業界で自分の力を試す」ということでした。無理に一生の仕事を一つに絞るのではなく、今、目の前にある大好きな仕事に全力で向き合おうと決めたのです。就活の枠組みからは外れた選択だったかもしれませんが、自分の意志で下したこの決断は、何よりの財産となりました。

就活はどう乗り切りましたか。
どんなサポートが助けになりましたか。

私の就活は決してスマートなものではありませんでした。気合いが空回りして体調を崩したり、もらい事故で骨折を経験したりと、身も心もボロボロな時期がありました。しかし、そんな逆境を笑って振り返ることができるのは、十文字学園という場所が持つ温かな空気感があったからです。

孤独になりがちな就職活動中、私を支えてくれたのは「一人じゃない」という安心感でした。大学のキャリアセンターで友人と履歴書を書いたり、先生方と廊下で立ち話をしたりする時間は、焦る心に柔らかな光を灯してくれました。上京してゼロから築き上げた友人関係や、私の迷いを否定せずに「それも面白いね」と受け入れてくださった先生方の存在は、何物にも代えがたいものでした。

当時の息抜きはカフェや図書館を巡ることでした。当時は単なる気分転換のつもりでしたが、無意識に「本のある空間」を求めていたその習性は、後のキャリアチェンジにつながっていく大切な伏線となっていたのです。

キャリアチェンジを繰り返し、
どのように今の仕事にたどり着いたのでしょうか?

私のキャリアは、まさにバラバラだった点が一つにつながっていくプロセスでした。卒業後、まずは飲食業界で運営の基礎を学び、数年後に「やはり本に関わりたい」という思いから出版業界へ。そこで図書目録情報(MARC)の作成実務を通じて情報の専門知識を習得しました。その後、念願だった大学図書館の司書として勤務し、全国図書館大会に登壇するという貴重な経験もさせていただきました。

現在は、これまでの「接客・運営・司書・情報管理」というすべての経験を掛け合わせるべく、移動棚(書架)のトップメーカーで、熊本に本社を置く金剛株式会社のデジタル販売戦略室に身を置いています。Webマーケティングやコンテンツ企画を担当する中で、最大のやりがいは、司書としての現場視点を持ちながら、企業の人間として図書館の魅力を全国に発信できることです。

2025年に開催された「図書館総合展2025」では、ブース運営に携わりました。営利企業の視点と、司書時代の利用者視点、この両方を兼ね備えていることこそが、私の最大の強みであり、私にしかできない仕事だと自負しています。

三宅さんの貴重なキャリアを通じて、
後輩たちに一番伝えたいことは何でしょうか。

振り返れば、未知の環境で自ら居場所を作った経験が、今の私の土台になっています。大学で学んだ「図書館情報学」と「サウンドデザイン」という異なる学びの掛け合わせは、今の仕事における多角的な提案力の源泉となっています。

後輩の皆さんに伝えたいのは、キャリアは一直線ではなく、寄り道こそが力になるということです。私の歩みは一見バラバラに見えるかもしれませんが、その時々で全力で取り組んだことは、すべて今の私の中でつながり、強力な武器となりました。

こうでなきゃいけないと自分を縛らず、視野を広く持ってチャレンジしてください。たとえ遠回りをしても、それはいつかあなたにしか語れない、最高に素晴らしい物語になるはずです。