きめ細かいサポートで
学生の主体性を引き出し
納得の内定獲得へ

十文字学園女子大学キャリア支援部 部長

松苗 広幸

本学におけるキャリア支援プログラムの
全体像について、学年ごとに教えてください。

私たちの最大の目標は、4年次の段階で全員が納得できる希望の進路へ進むことです。そのために、1年次からステップを踏んで準備を進める独自のプログラムを用意しています。

まず1年次は、社会やコミュニティに慣れることが主眼です。就職ガイダンスに加え、1年次から参加可能なインターンシップ、さらには単位認定の対象となるボランティア活動などを通じて、学生が「大人世代」と触れ合う機会を多く設けています。

2年次では、全学生必修の「キャリア教育科目」が大きな柱となります。全15回の授業のうち、半分は全学科共通の基礎知識を学び、残り半分は学科ごとの特色に合わせた専門的な内容となっています。

例えば、一般企業を目指す学生が多い学科と、教員や保育士を目指す専門職志向の学科では、磨くべき意識やスキルが異なります。ここを分けることで、より実効性の高い教育を目指しています。

3年次からは就職ガイダンスと筆記試験対策ガイダンスが始まり、自己分析や企業分析、エントリーシートの書き方、面接対策といった実践的なスキルを磨きます。

秋には約20社を招いての業界セミナー、年明けには約40社が参加する合同説明会を実施します。

昨今の就職活動は早期化していると言われますが、
学生の変化をどう見ていますか。

実態として、3年次の夏から動き出し、年明けには内定を得る学生も珍しくありません。だからこそ、今の学生に最も身に付けてほしいのは「主体性」です。

現在は売り手市場と言われ、比較的内定を得やすい傾向にあります。しかし、安易に決めてしまうと企業への愛着が薄くなり、入社直前の辞退や早期離職につながりかねません。周囲に流されず、自分をどう差別化し、自分の言葉で何を語れるか。この「個としての強さ」を鍛えていきたいと考えています。

エントリーシートなど、生成AIを活用した就活準備についても、現場では議論があるかと思いますが、いかがですか。

私は、AIは「賢く活用すべきもの」と捉えています。AIに文章を作らせるだけで終わるのではなく、そこで浮いた時間を「自分の経験値を増やすこと」に充ててほしいのです。最終的には、面接の場で、自分の考えを自分の言葉で語れるかどうかが勝負になります。

本学が「就職に強い」と言われる理由は
どこにあるとお考えでしょうか。

他大学の方とお話ししていて一番違うと感じるのは、学生一人ひとりに対する「個別アプローチ」の深さです。キャリア支援の職員はもちろん、各学科の教員が親身になってきめ細かく学生をサポートしています。

教員と職員が年に何度も会議を行い、情報を密に共有する「教職協働」によって、学生一人ひとりに目が届く体制ができていることが、私たちの大きな強みですね。

最後に、保護者の方々へメッセージをお願いします。

仕事選びは、ぜひ学生本人の主体性を尊重してあげてください。保護者の皆さまが経験された時代とは、成長産業も働き方も大きく変わっています。

ご自身の経験に基づいたアドバイスも大切ですが、「今はどうなっているのか」を親子で共に考え、フォローするスタンスでいていただけると、学生も自信を持って一歩を踏み出せるはずです。