2/16(土)に、本学で「【鍛えよう!子どもの心と体シリーズ Part3】自閉スペクトラム症児のコミュニケーション-実証研究からみえてきた理解と支援-」が開催されました。講師は本学人間発達心理学科の伊藤恵子教授、池田まさみ教授、埼玉医科大総合医療センター小児科講師の高田栄子氏、東京電機大学教授の小林春美氏、同大学プロジェクト研究助教の安田哲也氏が務めました。
はじめに、伊藤教授より開催の趣旨を説明。これまでの実験や観察研究から明らかになった、自閉スペクトラム症(ASD)のコミュニケーションの特徴を共有し、従来の支援のあり方を再考するきっかけにしたいと話しました。
講座は、講師による講義と受講生参加型ワークショップの2部構成。講義では、伊藤教授がASDの分類や症状、視覚的手がかりの有効性と、ASD児がコミュニケーションをとる時の注意の向け方について解説しました。池田教授からは話し相手の表情を認知する実験について、安田氏からは相手の気持ちを推測する実験について、それぞれ結果を報告しました。また伊藤教授から、話し手が発する「こっち」などの指示語や視線、指さしなどの情報をASD児が認識する度合いについて報告があり、日常生活の中で周囲の者が行う支援の重要性をまとめました。
続いて、高田氏が医師の立場からASD児へのコミュニケーションについて説明。診断時の留意点、薬物療法、周囲の支援方法などを具体的に話しました。
第2部のワークショップでは、8つのグループに分かれ、これまでASD児にどのような支援をしてきたか、また今後はどのような支援が考えられるかをテーマに、それぞれの立場から意見を出し合いました。最後はグループごとに発表し、必要な支援として「短い言葉で伝える」「社会で自立できるように本人の特性を活かす」といった多くの考えが挙げられました。
終了後、受講者からは、「今後の対応方法を習得できた」「立場が異なる方々とお話ができて、参考になった」などの感想が聞かれました。