6月22日(土)、本学特別招聘教授 土井善晴氏を講師とした公開講座「和食を楽しむこと『その意味と目的』」を開催しました。
本講座は、2020年4月開設予定の「健康栄養学科 食文化コース」(設置届出済み)の記念講座として行われ、食物栄養学科 名倉秀子教授がコーディネーターを、文芸文化学科 好本 惠教授が司会を務めました。
2部制で構成、第1部は土井氏の講演、第2部は土井氏、名倉教授、好本教授による鼎談形式で行われました。
第1部では、家庭ならではの和食の楽しみ方、家庭を大事にするという視点から、土井氏の和食観について語られました。感性を育み磨くこと、創造力を深めることが和食を楽しむ意味と目的として、家庭料理には人を幸せにする力があると考える土井氏。「ただ単に食べる」という行為だけでなく、「料理して食べる」ことの意味として、家族の健康を守り、幸せにすることにあるとの話がありました。
また、料理の中では作る人と食べる人の関係が成り立っている。そして和食において作る人は概ね女性であり、女性が日本の食文化を作ってきたとのことです。
相手のことを思うこと、その時の季節のことを考えて作ることが大事で、美味しいと感じることだけが重要ではないと説明しました。
家庭料理を通じて、子供たちが食事にまつわることを無意識のうちに吸収し、安心して食べられる居場所を作ることになると話がありました。
第2部の鼎談では、土井氏が出演したTV番組や、フランス料理の文化と和食文化の違いについて話題が及びました。
本学での授業の際に、学生のリクエストに応えて味噌汁を作ったことに話題が及ぶと、土井氏自らステージ上で味噌汁を作るという展開に。野菜などの食材が運び込まれると、まな板や包丁を使わず、おもむろに手でちぎりながら鍋に入れ、トークを止めることなく具だくさんの味噌汁を作りました。
出来上がった味噌汁は、会場のお客様に味見して頂き、「美味しい」と好評でした。
美味しい味噌汁とは、出汁に頼り過ぎず素材から出る旨みを使うことがポイントということです。
質疑応答も含めて約2時間行われ、時に笑いも起き、楽しみながら和食の文化について考える公開講座となりました。
▼素材を活かす 土井善晴風 具だくさん味噌汁の作り方(動画)
▼十文字学園女子大学 2020年新学部・新学科開設 特設サイト
http://www.jumonji-u.ac.jp/jumonji2020/