食物栄養学科は7月20日、同科の2年生を対象に、学生時代から食育活動に取り組んできた管理栄養士の鹿島日布美さんを招き、特別授業を行いました。鹿島さんは、管理栄養士が社会の中で果たす役割などについて説明し、学生時代から積極的に地域へ出ていくことが重要だと語りました。
この特別授業は、平成27年度地域志向特別推進研究「食育で育む管理栄養士の専門性」(プロジェクトメンバー=食物栄養学科:長澤教授、岩本教授、井上准教授、健康栄養学科:木村教授)の一環。食物栄養学科の2年生約130人が受講しました。
鹿島さんは今年3月、日本女子大学大学院を卒業。現在は、相模原市の管理栄養士をされています。大学在学中から食育に関心を持ち、管理栄養士と栄養士を目指す学生でつくる「栄養学生団体【N】」の代表を2年間務め、食育に関するイベントを多数開催してきました。管理栄養士の資格取得後は、管理栄養士のチーム「えいようのわ。」を結成。イベントでは農家の野菜を使った一汁三菜の和食を提供しています。
2013年8月には「キッチンの科学プロジェクト」を立ち上げ、科学実験を通して食に関心を持ってもらおうと、親子向けの食育ワークショップを各地で開催。昨年11月には農林水産大臣賞を受賞し、2015年版の「食育白書」でも紹介されています。
鹿島さんは、自分の活動について「食を通してみんなが幸せになれるコミュニティをつくり、自殺やいじめ、犯罪などさまざまな社会問題を改善していくことが目標」と説明。学生たちに「勇気を出して一歩を踏み出しましょう」と呼びかけました。
特別授業を企画した長澤教授は「勉強とレポートとアルバイトに明け暮れる生活から立ち止まって、社会に目を向ける機会にしてもらおうと開催しました。特別講義を受けた学生たちの数人は、その後、自主的に鹿島さんたちの食育活動に参加を始めました。これからも、こうした機会を作っていきたいと考えています」と話しました。