Jumonji発 カラフルガールズ 『国際目線のWebマガジン』神無月号
(2013.10)

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三好先生の書 ― 流れる筆線の美しさに感動

上手くなりたいという心を持って!

 今春から十文字学園女子大学児童教育学科、留学生別科で「書写」・「硬筆」を指導している三好節先生(前新座市立大和田小学校校長)の書が学生たちの間で評判になっている。三好先生には、秋の桐華祭でも、留学生が中心になって舞台で吟じた漢詩や和歌を書いていただき、分かりやすく、しかも流麗な筆の運びが会場の書道ファンを魅了した。授業の合間に、書道を始めたばかりの北京語言大学交換留学生の朱麗霏、張碧月が三好先生から上達の心構えを聞いた。

三好先生
学生たちの学園祭発表のため和歌を書いていただいた三好先生

朱麗霏実は、私たちは書道部のメンバーです。メンバーになったのをきっかけに、生まれて始めて書道に触れました。三好先生が書道を始めたきっかけは何ですか?いつから書道を習っていらっしゃいますか?

三好先生私の父親は書をやっていたので、それがきっかけです。だから小学校に入ったころから、父親に教えてもらいました。今のように書道塾がなかったので、家でいつも父親が書いてるのをみたり、横で書きなさいと言われたりしていました。6~7歳ぐらいには筆に触り始めてもう半世紀経ちました。

張碧月中国の学校で書道の授業はありません。子供の時、もし興味があったら、書道の塾に行ったと思います。中国と比べて、日本での書道はどうとらえられていますか?

三好先生日本の場合は、書道と言わないで、書写と言います。小学校の3年生から、書写の授業を受けます。大体9歳から、初めて筆を持ちます。これは全員で、字を正しく書くためにやります。時間は年間30時間程度です。そして、高校になると、自分で書道という授業を選びます。

朱麗霏先生はどんな書体が好きですか?

三好先生私は楷書(かいしょ)が好きです。行書(ぎょうしょ)も好きですけれども、小学校の子供の前で書く字はみんな楷書なので、そのうちに楷書の方がどんどん好きになってきたのです。

張碧月桐華祭のために、書道部のメンバーとして、私は自分の好きな言葉を書きました。中国語で「精诚所至,金石为开」(一つのことを続けていけば、どんな困難も克服できる)です。先生は書道を書く上で、何か好きな言葉はありますか?

三好先生こどもの時は「誠実」などよく書きました。


三好先生の流麗な筆の運び

朱麗霏書道の魅力は何ですか?なぜ書道に打ち込んでおられるのですか?

三好先生一つは筆で書いたときの線の美しさです。筆でかくと、流れる線が書けるようになるのですが、ボールペンや鉛筆ではできません。そういう美しさを見せられるから、筆が好きになったのです。ボールペンや鉛筆でどんなに頑張っても柔らかい文字を書こうとしても書けません、筆の方がきれいに書けるからです。

張碧月私は中国に帰国後も、書道をもっともっと練習したいです。先生から私のような書道の初心者に何かアドバイスをいただけますか?

三好先生文字というものはただ伝達するだけのものではありません。文字の美しさが必要です。例えば「を」というひらがなは、初めてのうちはうまく書けません。でも、うまく書きたいという意識を持っていると、必ずうまく書けるようになると思います。それが一つです。それから、基本をしっかりすることです。日本の場合は、3年生の時に筆の持ち方から教えて、そして書き順も教えています。テストもあります。だから、書き順が正しくなると、字の形が整います。

朱麗霏 張碧月三好先生、貴重なお時間をありがとうございました。