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学長メッセージ|新年度(令和2年度)の始まりを間近に控えて


令和2年3月30日
新年度(令和2年度)の始まりを間近に控えて
学長 志村二三夫

 新入生の皆さん、在学生の皆さん、ご入学またご進級おめでとうございます。
 新たな学びに胸を弾ませておられたことと思いますが、既にお知らせしたように、授業開始は延期となりました。一方、4月1日から始まることが予定されていた2020年度の健康診断およびオリエンテーションは、この1週間における新型コロナウイルス感染の拡大の急変を受けて、止むを得ず予定を変更します。健康診断は原則延期とし、前期実習をする上で必要とする学生のみとします。オリエンテーションについては、必要な書類(学生証、履修の手引き、時間割等々)をすべて郵送します。当初は、新型コロナウイルス感染のリスクである3つの密(密閉:換気の悪い空間/密集:手の届く範囲に人がいる/密接:近距離での会話や発声)を徹底的に除き、人と人の接触を避けて実施することになっていました。しかし、皆さんの多くは、公共交通機関を利用して本学に通学します。その際に満員電車等で感染リスクが高まる可能性を否定することはできません。このような理由で、皆さんの健康保護、安全・安心の確保第一に考えた次第です。今後のことは、感染の拡大状況に応じた国や自治体の判断を見極めつつ、必要に応じて変更してまいります。日々状況が変化している中で、申しわけありませんが、ご協力お願いします。

 さて、これからの日本を支え、健幸に生きようとする皆さんにとって、極めて重大な局面が迫っています。いま何とか食い止めないと、皆さんの未来は大変なことになります。大切なことなので、下記内容を理解して行動変容をはかり、皆さんの周りに行動変容の輪を広げていって下さるよう強くお願いします。
 ご存知のように、新型コロナウイルスによる感染がパンデミック(世界的大流行)となり、欧米では患者・死亡者が加速度的に増えています。3月29日の朝のデータ(https://www.worldometers.info/coronavirus/)によると、人口100万人当たりの患者数・死亡者数は、例えばイタリアで1,529人・166人、サンマリノ共和国(イタリア半島の小さな国)で6,602人・648人、アメリカでは363人・6人です。イタリアやサンマリノ共和国では、患者数の増加に治療が追い付かない医療崩壊が起きて、人口100万人当たりの死亡者数が突出しています。アメリカでは総患者数が世界最多の120,076人となり、各地で「外出禁止令」が出され、経済活動に大きな影響が出ています。
 一方、日本では、人口100万人当たりの患者数・死亡者数は13人・0.4人です。しかし、東京ではこの1週間で1日当たりの新たな患者数が10-20人から60人以上へと一気に増加し、これまでの最大となりました。感染症は人から人へと伝わる病気(communicable disease)です。人と人の接触、人の移動が感染を拡大させます。欧米のような惨状に繋がりかねない今の状況を小池都知事は「感染爆発の重大局面」と述べ、週末は当面の間、不要不急の外出や大人数での集まりを控えるよう都民らに求め、近隣県もこれに同調しています。
 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐのが難しい一因は、明らかな症状がなくてもウイルスを持っている若くて元気な人がいることです。自分がウイルスをもらわないようにすることとともに、皆さんがもしかして持っているかもしれないウイルスをほかの人、とくにリスクの高い高齢者や持病のある方たちに伝えないために、皆さんができる具体的で有効な行動を積極的にとってください。そしてその行動をご家族や友人等にどんどん広めてください。これとは真逆の「自分は若いからコロナなんて怖くない」、こういった浅慮な意識と行動の広がりが、感染爆発を引き起こし、医療崩壊、さらに経済崩壊をもたらし、結果として暗澹たる世界へとつながってしまいます。寺田寅彦(戦前の物理学者・随筆・俳人)は浅間山の爆発についての随筆の中で、「・・・ものをこわがらな過ぎたり、こわがり過ぎたりするのはやさしいが、正当にこわがることはなかなかむつかしいことだと思われた。」と述べています。
 皆さんは新型コロナウイルス感染を怖がらな過ぎたり、怖がり過ぎたりせずに、正当に怖がって行動してください。それには、まずは上に述べた3つの密それぞれを避ける、とくに3つが重ならないようにしてください。その他、以下の点も十分に心掛けてください。

1.日頃より、手洗いとうがいを心がけて感染防止に努めること。新型コロナウイルスが付着したもの触った手で鼻や口を触ると感染するおそれがあります。
2.不要不急の外出は避けること。止むを得ず外出する際は、咳エチケットをしっかり守り、マスクを着用し、感染防止に努めること。マスクは咳やくしゃみで出る飛沫を抑えてくれます。ほかの人にウイルスを伝えないために有効です。
3.日々体調管理に努めること。万一、風邪の症状(37.5℃以上の発熱、咳やのどの痛み等)がある場合は自宅にて静養するとともに、症状が続く場合は厚生労働省の通知に従って行動してください。

 新型コロナウイルス感染から、皆さんの今の健康と未来の健幸、日本の元気を守れるかどうかは、若い皆さんが行動変容できるかどうかにかかっています。授業が始まるまでの期間、このことを肝に銘じて前向きにお過ごしください。ぜひよろしくお願いします。
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