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令和2年度 入学生への祝辞


令和2年4月4日

令和2年度 十文字学園女子大学・大学院・留学生別科入学生への祝辞

十文字学園女子大学
理事長 十文字 一夫


 新入生の皆様に心からお祝いを申し上げます。ご入学おめでとうございます。
 そして、ご家族の皆様も本当におめでとうございます。
 このたびの新型コロナウイルス感染の拡大が終息しないため、大変残念ではありますが、令和2年度の入学式を中止することといたしました。本来ならば、皆様の前で直接ご挨拶をしたいところですが、ご容赦いただきたいと思います。
 新入生の皆様もご家族も、厳しい世の中の経済状況にあって、多数の大学の中から私どもの大学、大学院、留学生別科を選んでお入りいただきました。そのお気持ちを十分受け止めて、学生一人一人まで行き届いた教育を行い、楽しく充実した学園生活が送れますよう、教職員一同力を合わせて参りますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 本学園は、2022年に創立100周年を迎えます。最初に建学の精神について申し上げたいと思います。本学の学園歌には、この建学の精神が非常によく表れております。私の祖母であります創立者の十文字ことが、98年前にこの学園を創ったときに、どういう気持ちでいたのかということを自ら記した文章がありますので、それをご紹介しておきたいと思います。
 「本校の創立は、大正11年2月15日であった。大正11年ごろを回顧すると、当時女学校の卒業生に対して、いっこうに役に立たないという芳しからぬ批評が流布していた。そのまま信ずる必要はないけれども、それを聞くたび私はいろいろ考えた。どうかして本当に世の中の役に立つというような立派な日本女性をつくり上げよう。女性こそ、将来は子どもたちの母として、日本の民族性や民族文化や民族精神を次の時代へ伝えてくれる大切な協力者である。それには強靱な体、確固たる精神、自由に活用できる知識等を目標として若い女性を教育し、形成する必要がある。このようなことをいろいろ考えた結果が、本校の創立となった。それゆえに、本校の学園歌は、以上のような意味を要約して、次のごとく歌うのである。『身をきたへ 心きたへて 世の中に たちてかひある 人と生きなむ』」(※「十文字こと先生伝」)、このように残しております。「体を鍛え、心を鍛え、そして世の中の役に立つ人となって社会に出ていく」これがこの学園をつくった目的であり、目標であるということをはっきり述べております。創立以来、一筋にこの教育理念に向けて歌い続けてきたのがこの学園歌だということを、まずお伝えしておきたいと思います。

 次に、十文字学園の歴史とそれを取り巻いてきた世界情勢についてもお伝えします。十文字学園が創立した1920年代という時代は、第一次世界大戦が終わり、その後の女性の活躍と合わせるように、第一次女性解放運動が世界で非常に盛んとなり、女性の参政権が獲得された時代でした。そして日本でも同様の流れのなかで、大正時代の終わりに様々な私立の学校ができました。
 この大学ができた、当時は短期大学でしたが、1960年代を振り返ると、第二次女性解放運動という世界情勢が背景にありました。この運動はアメリカでの人種解放運動、黒人解放運動と歩調を合わせるように女性解放が盛んになりました。日本ではウーマンリブ運動と呼ばれ簡単に片づけられましたが、やはり世界の潮流のなかにあったものでした。そして本学だけでなく、様々な場所で短期大学が設立されました。
 十文字学園に4年制大学が設立されたのは1996年ですが、その時計の針を戻してみますと、1975年に国連にて「国際女性デー」が制定され、その後女性差別撤廃、女性の地位向上の歩みとともに、1995年には北京で第4回の世界女性会議が開催され女性の権利実現、ジェンダー平等の推進をうたう「北京宣言」が採択されました。そして日本でも1985年には男女雇用機会均等法が定着し、女性が働く、働かなければならない、男性と女性が同じ土俵で同様の働き方をする考えが主流になりました。
 このように、十文字学園の歴史は世界情勢、女性活躍の流れと連動してきました。このことは、皆様の生活自体も世界の流れに結びついているということです。数年後に始まる就職活動でも、その後の社会生活においても、世界がどのように動いているのかを理解することはとても重要です。大学生活を送る中で、世界の情勢を見る目を養っていただきたいと思います。

 さて、大学の学びについて若干申し上げます。大学と高等学校、どのように違うのか。
それは、高等学校までの教育というのは、「勉強をすること」に重心が置かれています。大学というのは「学問をするところ」です。学問というのは、学んで問う。学んで問うことがなければ大学ではない、と思います。先生方のおっしゃっていることが本当に正しいかどうか、場合によっては、こういう新しい説があるのではないかということを皆さんが勉強して、そこまで言えるようになる。それがやっぱり大学の本来のあり方だろうと思います。そうした意味で、大学というのは、今までの勉強とは違う厳しいところもあると思います。どうぞ厳しくも楽しい大学の生活を大いに満喫してほしいと思います。

 最後に、この新座の地に大学を創った2代目理事長十文字良子の『学問と引きかえに女性の美しさを失ってもらっては困ります』という言葉をお伝えします。女性の美しさとは何でしょうか。私は、やはり「優しさ」「温かさ」「思いやりの心」そのようなものだと思います。学生生活はもちろん、将来社会人として仕事をし、生活していくうえでも非常に重要な要素です。どうぞ、そのような女性らしさを皆さんがお持ちになり、この4年間、2年間、本学園での楽しい生活をお過ごしになるよう、心から祈ってお祝いの言葉といたします。

令和2年4月4日

令和2年度 入学式式辞に代わるお祝いの言葉

十文字学園女子大学
学長 志村 二三夫


 新入生の皆さん、ご入学まことにおめでとうございます。ご存知のように、本学は今年度からこれまでの1 学部から3 学部へと大変身・トランスフォームし、新たな教育体制がスタートしました。この門出にあたって、令和の時代を明日に向かって走り、支え、生き抜いていこうとする皆さんをお迎えでき、教職員一同とても嬉しく思います。ご家族・保護者の皆様におかれましても、お慶びはひとしおと存じます。心よりお祝い申し上げますとともに、これからの本学へのお力添え・ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。
 本来なら、入学式の式典で、ご来賓の方々と御一緒に祝意を表し、皆さんをお迎えするはずでした。しかし、新型コロナウイルス感染拡大のために叶わず、とても残念であり、また申し訳なく思っています。例年は、式典開始に先立ち、新入生の皆さんに、本学での学びの基盤となる建学の理念や精神を謳った学園歌をマスターしてから式に臨んでいただき、参加者全員による学園歌の斉唱で式が締めくくられています。
 このように、学園歌「身をきたへ 心きたへて 世の中に たちてかひある 人と生きなむ」は、本学にとって特別な心の支えです。学園のサイト( https://js.jumonjiu.ac.jp/about/emblem/)で聞くことができるので、是非覚え、好きになってください。さて、この学園歌には実はいくつものサプライズが秘められています。入学式でお伝えできないので、その秘密のうち、5つをお祝いメッセージとして、この場を借りてお伝えします。
 十文字学園女子大学は、十文字学園という学校法人がつくった大学。ですから、学園歌はこの学校法人の歌です。十文字中学校や高等学校も共通です。100 年たっても色褪せない、学園創設者十文字こと先生が示す人の生き方を教えてくれています。共感して下さると確信しています。

 では、学園歌の第一の秘密。多分、日本一短い学園歌です。五七五七七の短歌形式、三十一文字のスペシャルです。
 第二に、本学の目的や使命を示した学則は、建学の精神として学園歌を謳い込んでいます。
 少し長いですが、この部分をお伝えします。「十文字学園女子大学は、建学の精神『身をきたへ 心きたへて 世の中に たちてかひある 人と生きなむ』に基づき、社会の要請に応じる学術の理論と応用を教育研究することによって、社会・文化の発展に貢献する人間性豊かな人材を育成することを目的とする。」となっています。
 学園歌全部を謳い込んだ学則は、私の知る限り、見つかりません。再びスペシャルです。
 ここで、歌詞の解釈。若い人にはやや馴染み難い、いにしえ言葉ですが、「体と心を鍛錬し、しっかり学び、生き甲斐をもち、自立した社会人として、みんなと仲良く共に生きてゆきます。ぜひそうしてくださいね。」、私はこう解釈しています。
 では自立した人間とは?。人間という漢字には‟じんかん”という読み方があり、文字通り人と人の間、人間関係、社会、世の中を意味します。つまり、人間とはヒトという生物個体というよりは、社会的存在です。社会の一員として、みんなと仲良く、普通にしっかり生活する、それが自立した人間だと思います。
 このように生活できれば、仮にささやかでも、生きる喜びや幸福感、つまり生き甲斐を感じられるはずです。前向きに、明るく、仲良くが社会人力向上の基本です。本学での学び・勉強を通して、社会人力を養って下さい。

 第三に、学園歌の鍛え。鍛えとは鍛錬のこと。「鍛」は、金属に力を加えて丈夫にしたり、変形加工すること。「錬」は、金属を強く熱し、不純物を除くこと。鉄は鍛錬されて、潜在能力つまり伸び代が生かされ、強靭な刃金や自動車のボディーに変身します。
 ネット上には、真っすぐ立てた日本刀に、鉄砲の弾を打った動画があります。結果はサプライズ。弾は真っ二つ。刀の刃の鉄がしっかり鍛錬されているからです。
 鉄にできて、人間にできないはずがありません。鍛錬を通し、皆さんの伸び代が生き、能力また自信が高まります。そして、鍛えは、当て字で「喜多恵」。喜びに多く恵まれる、喜びを多く恵む。これまたサプライズです。
 鍛えの場は学内の授業や課外活動、職員による指導・支援だけではありません。地域に根差した大学として、所在地の新座市はじめ、地域社会との連携協力に努めています。皆さんは地域に飛び出し、地域の方たちを先生に学び、社会人としての力を高めることができます。
 様々な学びを通して、社会が抱えるさまざまな問題を発見し、課題に挑戦し、工夫し、解決する力を高めることができるとよいですね。
 次の第四は、学園歌の終わりの、“なむ”です。実は、この“なむ”には二つの意味があります。1つは、本人の強い意志を表す“なむ”です。したがって、学園歌は「私は・・・と生きていきます。」という意味になります。一方、“なむ”は、誂(あつら)えの助詞といって、相手に対する願望を表します。こちらは、「あなたは、ぜひ・・・と生きて下さいね」、という意味です。ですから、学園歌は一つの歌詞で、教わり育つ学生と、教え育む教職員や地域の皆さんとの交感、心の交流を表しています。
 皆さんの中には、相聞歌について知っている人がいると思います。恋人同士が交した和歌を指すことが多いですが、親子や師弟、知人同士の心と心の交し合いも相聞です。学園歌は一つの歌でできた相聞歌、サプライズです。
 第五に、学園歌は教職員の強い意志・決意も表します。「私たち教職員は、体と心を鍛錬し・・・と生きていきます。」ということです。学生の皆さんとともに、自らの伸び代を伸ばす、それが十文字の教職員です。学生ファースト、皆さんの伸び代を生かす教育のために励んでいます。

 さて、学園歌はこのようにさまざまなサプライズを秘めていますが、新型コロナウイルス感染が世界中に拡散する今の状況であればなおさら、学園歌に謳われているように、自立した社会人として、みんなと仲良く共に生きてゆきます、という気持ちをなお一層高めていただきたいと思います。新型コロナウイルス対策で厄介なのは、ウイルスを持っていても、病気の症状が明瞭ではない不顕性感染の人がいることです。明らかな症状を持っている人はもちろん、症状が現れていない人であっても自分が持っているウイルスを他の人、とりわけご高齢の方や持病を持っている方に移す可能性は否定できません。自分が他の人からウイルスをもらわないこととともに、もしかして持っているかもしれないウイルスを他の人に伝えないようにする予防意識・行動がとても重要です。これは、みんなと仲良く共に生きてゆくことに繋がります。

 新入生の皆さんをお迎えするお祝いの言葉としては、やや異例な結びですが、新型コロナウイルスによる難局の中で、皆さんは、国際社会や国・自治体等の決め事を守るとともに、自分自身の具体的問題として何をどうしなければならないのか、できるのか、といった課題に挑戦し、解決策を探り、行動変容を目指してみて下さい。このような地道な鍛え・喜多恵の習慣が、新型コロナウイルス対策だけではなく、将来、皆さんが社会に羽ばたくときの糧となるはずです。