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インパクト・バイアスimpact bias

夢は見ているうちが華

たとえば…
夢叶ってあこがれの都会生活をすることに。バラ色の毎日が待っているかと思いきや、楽しいのは最初だけで、その後は平凡な日々だった。

考えてみよう

下記の出来事「X」と「Y」を想像してみてください、1年後「幸福」を感じているのはどちらだと思いますか。

  • X:長いあいだ好きだった人と遂に付き合うことになった場合
  • Y:長いあいだ交際していた人と突然別れることになった場合
  • 1年後はXの方が幸せ
  • 1年後はYの方が幸せ
  • 1年後はどちらも同じくらい幸せ

解説

私たちは、たとえ経験していないことでも想像してみることは可能です。たとえば、「もし宝くじが当たったら」と夢を描いてみたり、あるいは「もし健康を損ねてしまったら」と将来を不安に思ってみたり。このような想像は誰しも経験があるのではないでしょうか。

ある出来事が起きたときのことを想像して、出来事が起きた後のことを実際よりもずっと良く、あるいはずっと悪く予測することをインパクト・バイアスと言います。では、実際にその出来事が起きたとき、その心理状態は、出来事が起きる前に予測していた通りに(ずっと良く or ずっと悪く)変化するのでしょうか。実は、出来事が現実のものとなったとき、それがたとえポジティブな出来事であっても、人は「こんなものか、思い描いていたのと違う」と感じることが報告されています。つまり、夢が叶っても実はそれほど達成感はなく、その後長くもたらされるであろうと思っていた幸福感は、時間が経つにつれ以前と同じ程度になることが分かっています。また、出来事がネガティブであっても、ポジティブの場合と同様、ずっと嘆き悲しみながら暮らすことになると思っていた絶望感は、時間が経つにつれ、「こんなものかな」と思えてくるといいます。

【参考文献】
Gilbert, D.T., Pinel, E. C., Wilson, T. D., Blumberg, S. J., Wheatley, T. P. (1998). Immune neglect: A source of durability bias in affective forecasting. Journal of Personality and Social Psychology, 75, 617-638.
Sanna, L. J, Schwarz, N. (2004). Integrating Temporal Biases: The Interplay of Focal Thoughts and Accessibility Experiences. Psychological Science, 15, 474–481.

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