ツァイガルニック効果Zeigarnik effect
終わったら忘れた
- たとえば…
- 資格試験に向けて勉強していた頃は、完璧に覚えていたはずの専門用語も、合格後はきれいに忘れていた。
あなたは、同じくらいの分量のAとBの仕事を同時に進めていました。Aの仕事は、昨日完了しました。Bの仕事は、途中で用紙がなくなり、まだ完了していません。
さきほど同僚に、AとBの詳細について尋ねられました。あなたはどちらの仕事内容をより詳しく思い出せたと思いますか?
- 昨日完了した仕事
- まだ完了していない仕事
あなたは例題(A)と(B)のどちらだと思いましたか?
この場合、(B)のように未完了の課題の内容の方がよりはっきりと思い出せることが実験によって確かめられています。この、未完了あるいは途中で邪魔された課題の方が、完了した課題より思い出しやすいという現象は、実験者の名前にちなんで、ツァイガルニック効果と呼ばれています。課題を行っている間は緊張状態にあり、その内容を容易に思い出せるのですが、課題が終了すると、安心して記憶の維持も難しくなるため、このような効果が生じると考えられています。
【参考文献】
Zeigarnik, B.V. (1938). On finished and unfinished tasks. In W. D. Ellis (Ed.), A sourcebook of Gestalt psychology (pp.300-314). London: Kegan Paul, Trench, Trubner & Company.