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透明性の錯覚illusion of transparency

きっとばれている

たとえば…
大勢の人の前でスピーチをしたとき、緊張でガチガチだったが、友人には、とてもそうは見えなかったと言われた。

考えてみよう

あなたは「嘘発見ゲーム」に参加しています。

あなたの前には、5つのコップが置かれており、そこには同じように少量のジュースが入っています。そのうちの1つは大量の塩が入った特製ジュースです。あなたは、初対面の10人の前で、5つのコップに入ったジュースを順番に飲んでいきます。まずいと思ってもそれを顔に出してはいけません。

あなたが塩入りのまずいジュースをのんだとき、10人中何人くらいの人がそれを見破ると思いますか?なお、偶然正解する確率は20%(10人中2人)になります。

10人中(    ) 人

Gilovich, Savitsky, & Medvec(1998)を一部改変

解説

あなたは、何人くらいの人に嘘を見破られると思いましたか?

同じような設定で実験を行ったところ、自分の嘘を見破る人は3.6人くらいはいるはずだと平均的に予想されました。しかし、実際に嘘を見破った人は2人で、偶然正解する確率と同じでした。嘘をついている人は、嘘をついているときの動揺など、自分の内面の状態が周りの人に筒抜けのように感じるため、「ばれているに違いない」と思いがちですが、実際には嘘を見破ることはそれほど簡単ではないようです。

このように、自分の考えていることや感じていることが、実際以上に他者に伝わっていると考える傾向を透明性の錯覚と言います。つまり、本来ならば他者からは見えないはずの自分の内的経験が、他者に見抜かれている程度を過大評価していると言えます。このような透明性の錯覚は、本人が隠そうと思っていない内容であっても、同じように生じます。

【参考文献】
Gilovich, T., Savitsky, K., & Medvec, V. H. (1998). The illusion of transparency: Biased assessments of others' ability to read one's emotional states. Journal of Personality and Social Psychology, 75, 332-346.

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