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ピグマリオン効果pygmalion effect

思えば叶う

たとえば…
今年は大型新人がくるとウワサになっていたが、ウワサに違わず、素晴らしい営業成績をあげた。

考えてみよう

ある技術の実習授業で技術力がほぼ等しいことが確認されている学生を集めてXとYの2つのチームに分けて、両チームを指導する新任教員に校長が「今度のXチームは器用で細かい作業も得意としていて技術力が高いようですね」と(あまり根拠のない)情報を提供したとします。

さて、半年後、XとYの学生たちは、どんな作品を出したでしょう。

  • XとY、両方とも等しい技術力と評される作品
  • Xの学生は、たしかに技術力が高いと評される作品
  • Xの学生は、 実は技術力が低いと表される作品

解説

例題は、ローゼンタールらの「教室のピグマリオン」(1968)を基に作成したもので、実験ではBのような現象がみられることが報告されています。つまり、何も知らなかった人が(例題では新任教員が)Xチームの情報を聞き、その情報に応じた行動(例えば丁寧に指導すること)によって、Xチームの受講者が成果を出したと考えられます。

このことから、人は他者から期待されていることが分かると、期待された通りの成果を出す傾向があるとされました。そして、これは、ギリシャ神話に出てくる王様ピグマリオンが象牙の女神を日々愛でていると、ついにその女神に命が宿り結婚することが叶ったというお話に基づいて、ピグマリオン効果と呼ばれています。

この現象は、1960年代、教育現場で教師の期待によって生徒の成績が向上することが示されたことから、教師期待効果あるいは研究者の名に因んでローゼンタール効果と呼ばれています。実験では、成績にほとんど差のない2つのクラスのうち、1つのクラスのほうは優秀であると(偽りの情報を)教師に告げておくと、その後、そう告げられたクラスの生徒のほうの成績がよくなることが明らかにされています。ただし、この効果の大きさは対象や状況によってバラツキがあるようです。

また、ピグマリオン効果とは逆に、期待されていなかったり失敗するに違いないと思われていたりすると、成績が下がったり本当に失敗したりすることも報告されています。この現象はゴーレム効果と呼ばれます。

【参考文献】
Rosenthal, R., & Fode, K. L. (1963). The effect of experimenter bias on the performance of the albino rat. Behavioral science / Mental health research institute, university of Michigan, society for general system research, university of Louisville. 8, 183-189.
Rosenthal, R., & Jacobson, L. (1968). Pygmalion in the classroom. The Urban Review, 3(1), 16–20.
Timmermans, A. C., Rubie-Davies, C. M., & Rjosk, C. (2018). Pygmalion's 50th anniversary: the state of the art in teacher expectation research. Educational Research and Evaluation, 24(3-5), 91-98.

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