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研究・社会貢献・公開講座

【授業レポート】総合科目「ちふれと考える私らしさ」


十文字学園女子大学では総合科目「ちふれと考える私らしさ」を開講しました。この科目は、ちふれホールディングス株式会社様との連携のもと、デザイン思考のフレームワークを用いて、化粧や化粧品の視点から「自分らしさ」とは何かに迫り、化粧の価値を問い直す科目です。

担当教員:社会連携推進センター 特別招聘教授 瀬谷崎裕之
     社会情報デザイン学科 准教授 中村健太郎

第7回 化粧にまつわるモヤモヤを深堀り―見えてきたモヤモヤの本質

総合科目「ちふれと考える私らしさ」の第7回授業が行われました。
この科目名には、学生たちに「自分らしく輝く人生」「自分が自分でよかったと心から思える人生」、そして建学の精神である「世の中に たちてかひある人生」を送ってほしいという願いが込められています。
化粧は自分に自信をくれる素敵なツールですが、楽しさの反面、悩みや葛藤がつきもの。
今回は、学生たちが日頃感じている化粧にまつわる“モヤモヤ”を徹底的に深堀りし、答えのない「私らしさ」を見つけるヒントを探りました。

1.第7回授業のゴールと事前課題 ―共感データの収集

今回のゴールは、同世代のリアルな本音を掘り起こすこと。学生たちは授業の前に、学生たちは2つの事前課題にチャレンジしました。

事前課題①:自己リフレクション(内省)
これまでの授業のリアクションペーパーを読み返し、「最も心が動いた瞬間(驚き、安心、納得)」を3つ書き出す
事前課題②:日常の「化粧の矛盾」観察
日常の中で感じる「本当はこうしたいけれど、実際にはこうしている」という化粧にまつわる矛盾(モヤモヤ)を最低1つ見つける

課題①から見えた、これまでの「気づき」
・化粧のプロでも昔は「黒歴史」や悩みがあったと知って、すごく安心した!
・「イエベ・ブルベ」の縛りから解放されて、自由に選んでいいんだってワクワクした

課題②から見えた、今も残る「モヤモヤ」
一方で「自分らしさと周囲の目線の間で揺れるジレンマ」や、「理想のナチュラルにしたいのに、コンプレックスを隠そうするうちに濃くなってしまう」など、今も残るリアルなモヤモヤも見えてきました。

2.ペアワークとグループワーク ―「私らしさ」には「勇気」も必要

授業では、二人一組となって、化粧の矛盾やモヤモヤを「なぜそう思うの?」を何度も問いかけ、さらにグループで模造紙を囲んでディスカッションを行いました。

付箋を並べて対話するうちに共通する「自己と社会の葛藤」が見えてきました。
・「外的な正解」のモヤモヤ:パーソナルカラーやSNSの流行、周囲の視線といった「外側の正解」と「私らしさ」の間で揺れ動いていることを共有
・ただの技術不足じゃなかった:「メイクがうまくいかないのは自分のスキルのせい」と思いきや、実は就活やマナーといった社会的プレッシャー、その時々自分のメンタルが深く関係していた
・他者への依存と怖さ:「自分の顔は直接見られないから、どうしても他人の評価に頼ってしまう」「失敗を恐れて結局いつもと同じ無難な化粧になってしまう」という心理にも受講生が深く共感

最終的には、「正解は一つではない」という結論に達し、その場に合わせた「多面的な自分」を肯定し、他者の目を切り離して「私らしく」いるためには、少しの精神的な「勇気」が必要なんだと確信する時間となりました。

3.第7回授業を通じた受講生の学び ―受講生同士の共感による気づき

授業後のリアクションペーパーを分析すると、お互い共感し合えたことで、学生たちの中に変化が生まれていました。

・「ナチュラルにしたいのに濃くなる」と悩んでいた学生
理想と現実のギャップの理由は、技術不足だけではなく「周囲の目線を気にしてしまう心理」にあったと気づくことができました。
・「ありのままの自分」と「なりたい私」のギャップに悩んでいた学生
場面に合わせてキャラを変える自分を「どれもすべて自分。一つに絞らなくていいんだ」と肯定できるようになりました。「肩の力が抜けた」という大きな解放感を得て、気づかせてくれた他の受講生に「ありがとう」と伝えたいです。

学びの本質
「自分一人の悩みだと思っていたことが、実は受講生共通の課題だった」。そう知ることで安心感が生まれました。「正解」を外に求めるのをやめて、自分の「勇気」や「納得」に基準を戻す――、そんなすてきなマインドの成長を見せてくれました。

次回予告:「私らしさ」を言語化し、「My Pace Beauty」を再定義
第8回授業では、グループワークを通じて「私らしさ」とは何かを深めていきます。

課題①:「私らしさとは何か」を言語化する
課題②:自分らしさを阻害する要因を書き出す

「私らしさ」が抽象的にならないよう、「好きな自分はどんな自分」「輝いている自分はどんな自分」「卒業するときはこんな自分でいたい」など各自がイメージしやすいテーマで考え、自分だけの「My Pace Beauty」を再定義していきます。

第5回・第6回 私らしさを引き出す―ちふれ流スキンケアとメイクの実践

5月7日の第5回と5月14日の第6回授業は、ちふれ美容研究部員による「私らしさ」を見つけるための実践的なメイク講座でした。
ちふれの皆様による一連の講義を通じ、受講生たちはメイクを「コンプレックスを隠すツール」から「自分本来の魅力を引き出し、自己表現するもの」へと、意識を大きく変化させました。ありのままの自分を肯定する「My Pace Beauty」の考え方を深め、今後はデザイン思考を用いたグループワークを通じて、内面から「私らしさ」を深掘りするフェーズへと移行していきます。

1.第4回授業の振り返り ―「私らしさを見つける」という目標に直結した学び

第4回授業では、ちふれの企業としての取組みや商品コンセプトの紹介、「My pace beauty」についてグループディスカッションが行われました。リアクションペーパーから受講生の声として、以下の重要性を感じたことが紹介されました。

①周りに流されない自分軸を持っている
②完璧を手放し、ありのままの自分に自信を持つ
③日々の気分に合わせてメイクを楽しむ

いずれも「私らしさ」に直結しています。

2.第5回授業:スキンケアとベースメイク ―「My Pace Beauty」への第一歩

第5回授業では、ちふれ美容研究部員による「スキンケア・ベースメイク講座」と「実践ワーク」が行われました。この回の目的は、「正しいスキンケアとベースメイクの基本(手順、方法やその理由)」を学び、実践を通じて自分自身と深く向き合うことでした。

スキンケアの基本と実践:
クレンジングで「洗う」、化粧水で「うるおす」、乳液やクリームで「保つ」というベーシックなステップを学びました。特に、肌に触れる際は最も力の入りやすい人さし指を避け、中指や薬指を使って優しく触れるという技法が強調されました。また、手のひら全体で顔を包み込む「うるおいラッピング」や、手の甲で肌の状態を確認する「うるおいチェック」も学びました。

ベースメイク(BBクリーム)の極意:
顔全体に均一に塗るのではなく、中心部の「カバーゾーン」にしっかり塗り、外側に向かって薄く伸ばすという「塗り分けの技術」を習得。これにより、肌の気になる部分をカバーしつつ、自然な立体感を出せるようになります。

「私らしさ」への気づき:
受講生はメイクを「コンプレックスを隠すツール」だけでなく、「自分が本来持っている魅力を引き出すもの」と再認識しました。自分の顔の骨格や肌に触れることで、ありのままの自分を肯定する「My Pace Beauty」の考え方をより深く落とし込む機会となりました。

3.第5回授業の振り返り ―知らなかった「すぐに役立つテクニック」

第5回授業ではスキンケアとベースメイクの実践が行われ、リアクションペーパーから受講生にとっては「知っているようで知らない、すぐに役立つテクニック」が特に印象深かったことが紹介されました。

①一つ一つの工程を正しく丁寧に行うことで化粧水や乳液が肌になじみ、うるおいを感じることができる
②BBクリームを塗る際、人さし指は力が入りやすいため、中指と薬指を中心に人さし指と小指を自然に添わせ、
 手を動かす。筋状のムラを防ぐため、指の腹全体を密着させる
③量は「予想より少なめの適量」を守ることが崩れにくく美しい仕上がりへの近道
④しっかりカバーする中心部と薄く塗る外側の境界をきれいにぼかす

4.第6回授業:論理で学ぶポイントメイク ―基本技法で引き出す自分本来の魅力

第6回授業は「ポイントメイク講座」と「実践ワーク」、そしてこれまでのちふれの皆様による授業の総括がなされました。前半のベースメイクの振り返りでは、「人さし指を使わないこと」や「適量を守ること」の重要性が改めて共有されました。
メインとなる実習では、以下のポイントメイクの基本技法が詳細に指導されました。

アイシャドウ・アイライナー:
目元に自然なグラデーションを作る方法や、まつ毛の隙間を埋めるように描く技法

アイラッシュ・マスカラ:
根元・中間・毛先の3段階で上げるカールの作り方や、ダマを防ぐための「ティッシュオフ」と
「根元からのジグザグ塗り」

アイブロー:
顔の印象を左右する眉について、眉頭・眉山・眉尻の位置を決める「黄金バランス」という論理的な指標に基づいた
描き方

チーク・口紅:
健康的な血色を与える「チークポイント」の特定方法や、縦ジワを埋めて質感を整えるリップの塗り方

5.前半戦振り返り ―自己肯定から始まる新しい自己表現の「カタチ」

ちふれ 広報課 岩下課長の総括 ―自分軸で楽しむ「等身大」の美

リアクションペーパーから、皆さんのメイクに対する捉え方が大きく変化していることがうかがえました。
・当初、皆さんはメイクを「コンプレックスを隠し、別の自分になるための道具」と捉えていたが、授業を重ねる中で、メイクは「本来持っている魅力を引き出し、内面にある思考やキャラクターを外に出すための自己表現の道具」であるという認識に変わったのではないか。
・SNSから受けるトレンドの影響や同調圧力に合わせるのではなく、「自分は何が好きなのか」を突き詰めることこそが「私らしさ」につながる。
・自分を隠すのではなく、本来の魅力を引き出すためには、まず「自分自身の魅力を知ること」が不可欠である。

ちふれ 広報課 福角さんの総括 ―ありのままの自分への自信

岩下課長の総括を受け、福角さんからは、授業を通じたちふれとしての気づきと、今後の授業に向けた期待のメッセージが贈られました。
・皆さんが本当に求めているのは「別の誰かになること」ではなく、「人に流されない自分軸」を持ち、ありのままの自分を肯定することであると再確認した。
・「私らしさ」とは固定された「完成形」ではなく、葛藤したり失敗したりしながら試行錯誤し、新しい自分に出会っていく「変化し続けるプロセス」そのもの。
・皆さんが抱く日常の悩みや「モヤモヤ」は、新しい社会価値を生み出す原石。

6.リアクションペーパーから見える受講生の学び

受講生は、自己流や義務感で行っていたメイクを「本来の魅力を引き出し、自己表現するツール」へと再認識しました。第5回のベースメイクでは「人さし指を使わない」などの論理的な技法から丁寧な土台作りの大切さを学び、第6回のポイントメイクでは「眉の黄金バランス」などを習得。コンプレックスを「隠す」ことから「ありのままの自分を肯定する」ことへと意識が変わり「My Pace Beauty」という自分軸を持った内面的な成長をみせました。
次回予告:共感「グループ内深掘りインタビュー」

第2回から第6回までの授業を通じて、受講生は「私らしさ」を考える多角的な体験を重ねてきました。ちふれの皆様は毎回リアクションペーパーを丁寧に読み込み、受講生の感想を授業内容に反映してくださいました。教員との綿密な事前打ち合わせも含め、並々ならぬご尽力があったことは想像に難くありません。岩下課長の「毎週の講義であったため、準備、実施、リアクションペーパーの確認・分析、次の講座への反映は時間的に大変ではあったが、メンバーは楽しみながら、講義プログラムの作成、準備物の手配、講義の運営進行、学生様とのコミュニケーションを実践することができました」という言葉がとても印象的でした。

これまでの貴重な学びを踏まえ、次回は同世代の本音を掘り起こし、デザイン思考の出発点となる「共感データ」の収集へと進みます。いままで経験したことのない複雑で予測不能な社会、ネット上に情報が氾濫する社会、生成AIの登場によって「人間とは何か」が問われる時代。まだまだ「自分らしさ」に対するモヤモヤや矛盾を感じているはずです。しかし、福角さんの言葉通り、そのモヤモヤこそが原石。そこを出発点として徐々に核心へと迫っていきます。

第4回 ちふれと探る「My Pace Beauty」-SNS時代に自分だけの“軸”を見つける特別授業

4月30日の第4回授業では、ちふれブランドが提案する「My Pace Beauty」を「私らしさ」「ありたい自分」と重ねながら、「私らしさ」「ありたい自分」を追求していく“きっかけ”や“ヒント”をつかむことを目的に実施しました。
グループディスカッションでは「私が考えるMy Pace Beauty」をテーマに議論し、SNS時代における「自分軸」の確立や完璧主義からの解放など、学生の多様な価値観が可視化されました。
スキンケアやメイクに関する議論は言うに及ばず、受講生の対話があっという間に、人の内面の魅力に関するテーマに移行したところが印象的でした。あるがままの自分を肯定し、その人らしい個性を表現することが「My Pace Beauty」であり、その魅力を感じ取る力もまた、人の内面の美しさなのだと実感する時間となりました。

1.前回授業の振り返り ―リアクションペーパーに寄せられた疑問にも丁寧に回答

受講生が提出した第3回授業のリアクションペーパーの中から、特に多かった学生の感想を6点挙げていただきました。
①骨格やパーツの個性を活かす技術
②眉メイクが与える印象変化への驚き
③「似合わない」という先入観からの解放
④理想の自分へ近づく「自己表現」としてのメイク
⑤義務感や作業から、「ワクワク」へ
⑥メイクを通じた他者とのつながり

さらに、受講生からだされた以下の質問にもご回答いただきました。
①眉尻がないのだが、おすすめのペンシルは
②長時間経っても、色を保つ方法
③メイクの際、蛍光灯、オレンジ系照明、自然光の下、どこでメイクするのがよいか
③のおすすめのメイク場所については、「メイクは、人から見た際の印象との差を少なくするため、自然光に近い環境で行うのがよいとされており、窓の近くや顔に光が当たる位置がおすすめですが、直射日光だと影が強すぎるため、レースのカーテン越しなど、やわらかい光のもとがよい」とのことでした。
その他の質問は、次回第5回授業「スキンケア・ベースメイク講座・実践ワーク」で実演を含めてご指導いただきます。

2.ちふれの企業ブランドを支える3つの「C」―「ちふれ」をより身近に感じた時間

今回の授業では、学生の関心が高いと想像する3つの分野に絞り、3つの「C」として以下の紹介がありました。

Cosmetics(化粧品):SNS等の周囲に流されず「自分らしく、背伸びをしない」My Pace Beautyを提唱し、肌に本当に必要な成分を届けることを重視している姿勢。
Career(キャリア):6つのブランド展開や、商品企画から販売までバトンをつなぐ多様な職種、時差出勤制度を活用する社員の具体的な1日。
Challenge(挑戦):「うそのない事業活動」を掲げ、保育園運営やZ世代との共創活動など、社会課題の解決に取り組む姿勢。

受講生は、ちふれが多様なブランドを展開していることを知り、企業が単に商品を販売するだけでなく、社会との関わりを大切にしていることを学び、企業への見方を広げる機会となりました。また、メイクを「コンプレックスを隠す義務」ではなく「自分を彩るワクワクするもの」へと捉え直し、SNS時代の「自分軸」の大切さに強い共感を抱きました。その気づきが次のグループディスカッションにつながりました。

3.グループディスカッション ーSNSに流されない「自分軸」の重要性

5つのグループA~Eに分かれ、私が考える「My Pace Beauty」をテーマにグループディスカッションを行いました。

Aグループは、自分の世界観やこだわりを持ち、好きなものを堂々と表現できる人を「My Pace Beauty」とし、「完璧主義になりすぎない」という視点も重視、メイクですべてを隠し切るのではなく、自分の良さを引き出し、無理のない範囲で自分を伸ばしていくことが、美しさの幅を広げることにつながると結論づけました。

Bグループでは、特に「自分軸」に焦点を当てました。自分の中にしっかりとした「芯」を持ち、目標に向かって毎日努力を重ねる姿勢を美しさとして捉え、外見的な美しさ以上に、内面の美しさや自己のあり方について深く議論されました。

Cグループの議論では、「周囲やSNSに流されない強さ」が大きなテーマとなりました。SNSの同調圧力や他人の目を気にしすぎることなく、自分を大切にし、自分の軸を維持することが「My Pace Beauty」の本質、多様な情報が溢れる現代において、自分らしさを守り抜くことが美しさであるという結論に至りました。

Dグループでは、自分ルール、テクニック、スキンケアなど5つのカテゴリーに分類し、特に「心情的」な側面が強調され、メイクをその日の天候や予定に合わせた「一期一会の創作物」として捉え、自分の気持ちを高めるツールとして定義しました。また、相手に「強く見られたい」といった、自分のポリシーに従った自己表現としてのメイクの重要性も語られました。

Eグループは、肌、自然体、憧れ、マインドなど6つのカテゴリーに整理し、その中でも「マインド」に最も高い関心を示しました。人に流されずキラキラと輝いている姿や、他者の意見を受け入れつつも自分自身を大切にする姿勢こそが、多くの学生が憧れる「My Pace Beauty」の姿であると結論づけ、自信を持って前を向く姿勢が周囲にもポジティブな影響を与えるという点に共感が集まりました。

4.リアクションペーパーから見える受講生の学び

「美しさ」と「自分らしさ」の再定義
多くの学生が、これまでのメイクを「コンプレックスを隠すための義務や盾」と捉えていましたが、講義を通じて「自分の骨格や個性を活かし、なりたい自分をデザインする楽しいツール」へと意識が変化したようです。完璧主義を捨て、「ありのままの自分を愛すること」こそが真の「My Pace Beauty」であるという気づきを得ていました。

「自分軸」の確立とSNSとの向き合い方
SNSの流行や同調圧力に流されず、自分の価値観(芯)を持つことの重要性を学びました。また、グループワークで多様な意見を可視化したことで、他者も自分と同じような不安や憧れを抱いていることを知り、自己理解と他者理解の両面で思考が深まりました。

企業の社会的な姿勢への理解
ちふれが単に化粧品を作るだけでなく、3つの「C」を軸に保育園運営やZ世代との共創など、社会課題の解決に挑戦していることを知り、企業をより身近な存在として捉えることができるようになりました。
次回予告:美容研究部によるスキンケア・ベースメイク講座・実践ワーク

美容研究部員の実演・指導により、受講生一人一人がプロのスキンケアとベースメイクを経験します。
第5回、第6回の2回の授業で「私らしさ」を表現する化粧技術を学び、「鏡」(実際の鏡と他者という鏡)を通じて「私らしさ」を考えます。

第3回 体感した「プロの技」―新しい自分に出会う喜び、固定観念からの解放

1.前回授業の振り返り―ちふれ社員の真摯なフィードバックに受講生が共感

受講生が提出した第2回授業のリアクションペーパーの中から、特に多かった学生の感想を6点挙げていただきました。

①プロにもある「黒歴史」への共感
②「似合わない色はない」という発見
③否定されて気づく「自分の好き」もある
④「素のまま」の自分も肯定する
⑤「周囲の目やSNS」との向き合い方
⑥TPOと「自分らしさ」の両立

リアクションペーパーを読み込み、受講生の言葉に耳を傾け、学生に真摯に向き合う社員の皆様の姿に、受講生はさらなる親近感をもったものと思います。「似合わない色はない」を受講生はメイクデモンストレーションの中で実感することになります。

2.メイクデモンストレーション ―固定観念を解き放つカラーマジック

2つのグループに分かれ、各グループ3名のモデルに「プロの技(わざ)」を披露していただきました。
デモンストレーションの内容は以下の通りです。

①美容研究部社員がモデルの顔立ち等を説明
②顔立ち等を活かし、眉を中心としたポイントメイクを実践
③メイクの意図、テクニック、ポイント等を解説
④学生の質疑応答は随時(広報課社員がサポート)

Aグループ1人目のH.Iさんは、可愛らしい顔立ちを活かしつつ、眉とオレンジ系のチークで大人っぽく仕上げられました。2人目のS.Iさんは、シェーディングを効果的に使って幼さを抑え、シャープで洗練された印象へと変化しました。3人目のKさんは、アスリートとしての力強さをもちつつも、ピンク系のアイシャドウで華やかなエレガントさを表現し、周囲を驚かせました。
一方、Bグループ1人目のSさんは、落ち着いた印象にチークで柔らかさを加え、親しみやすさを演出しました。2人目のTさんは、あどけなさが残る顔立ちをアイライン等の工夫で神秘的かつ大人な表情へと変貌させました。最後に山崎先生が登場し、意思の強そうな印象を、眉の形を整え暖色系のチークを重ねることで、優しく女性らしい雰囲気にまとめてくださいました。

モデルの皆さんから共通して聞かれたのが、「自分ではない自分」に出会ったことへの純粋な驚きです。グループAのモデルS.Iさんは、鏡を見て「自分じゃないなと思うぐらい変わっていた」と漏らし、特にシェーディングによる自然な小顔効果に感動していました。グループBのTさんも同様に「鏡に映った自分が自分じゃないみたい」と、変身した自身の姿に驚きを隠せない様子でした。
「似合わない」という思い込みが払拭された瞬間の感動も鮮明でした。グループAのH.Iさんは、自分には似合わないと避けていたオレンジ系の色がプロの手法で巧みに取り入れられ、「いい発見になった」と声を弾ませています。また、Kさんは、アスリートとしての自分とは異なる「ピンクが似合う新しい自分」に出会えたことについて、「とても嬉しい」と深く感動した様子でした。
さらに、長年のコンプレックスが解消されたことによる安心と喜びも読み取れます。山崎先生は、「意思が強く、きつく見られがち」という悩みを抱えていましたが、眉の形や色を整えることで「優しく女性らしい」印象に変わったことを実感し、周囲からの「可愛い」という声に「嬉しい」と素直な喜びを表現していました。

これらの声から、モデルたちが「メイクはなりたい自分を表現するための有力なツールである」という授業のメッセージを、身をもって体感したことが伝わってきます。単に綺麗になったことへの感動だけでなく、プロの視点によって自分の骨格や個性を肯定されたことが、彼女たちの自信に満ちた明るい声につながっています。
モデルたちの感動は、単なる外見の変化に対する喜びを超え、「知らなかった自分の魅力との出会い」や「固定観念からの解放」に根ざしていたように思います。そして何よりも、なりたい自分になった彼女たちの笑顔が印象的でした。

モデルを見守った他の受講生たちは、単なる見学者ではなく積極的にデモンストレーションに関わり、プロの技術を自分事として吸収しようとする姿が随所に見られました。
左右差の悩みやツールの選び方について活発な質問が飛び、美容研究部員は「骨格や筋肉の動きを意識すること」や「ブラシなどのツールを使い分ける重要性」を丁寧に解説しました。
モデルのメイクが完成するたびに、「すごい」「顔が小さくなった」「印象が全然違う」といった驚きと感動の声が上がりました。

3.リアクションペーパーから見えた受講生の心の変化

受講生たちは当初、特定の色の苦手意識などの「固定観念」にとらわれていました。しかし、プロの技術による劇的な変化を目の当たりにし、「メイクは魔法」だとの発見がありました。特に前回のフィードバック「似合わない色はない」を実体験したことで、苦手だった色へ挑戦する意欲が芽生え、心理的なハードルが大きく下がったようです。
モデルを務めた学生は「新しい自分」の発見に喜び、周囲との交流を通じて自己肯定感を高めています。他の受講生も、メイクが単なる外見の修正ではなく、表情を晴れやかにし「心まで変化させる力」があることを実感したようです。多くの学生がメイクを「なりたい自分を表現する楽しいツール」と再認識し、明日からの自分に期待を寄せる、前向きな一歩を踏み出せたようです。
次回予告:ちふれの紹介とディスカッション

ディスカッションテーマ:あなたの「My Pace Beauty」とは??
自分のペースでいい。背伸びをしない美しさへ。授業は「私らしさとは何か」に向かっていきます。

第2回 「黒歴史」から「なりたい自分」まで―ちふれ社員と本音で語り合う、化粧と自己表現や自分らしさとの葛藤

4月16日の第2回授業「ちふれ社員とのメイク座談会」では、ちふれホールディングス株式会社の社員5名と、スペシャルゲストの本学山崎萌々子先生がパネラーとして前半の「トークセッション」に登壇しました。学生たちの事前アンケートをもとに、複数のテーマを設定し、化粧にまつわる「本音」に深く切り込む、熱量の高いパネルトークが繰り広げられました。
後半はグループに分かれて、パネラーと受講生による「グループ別座談会」を行い、グループ代表が座談会で話し合った内容をそれぞれ発表しました。

1. トークセッション 失敗も経験のうち?社員が語る「メイクの黒歴史」

「小顔に見せたくて肌を真っ黒に焼いていた」というちふれ社員のエピソードや、「1970年代の強い女性に憧れて、跳ね上げラインの『ブルゾンちえみ風』メイクを3年間続けていた」といった山崎先生の意外な過去が明かされ、会場は笑いに包まれました。これらのエピソードを通じ、「その時はそれがかっこいいと信じていた」という、当時の自己表現と、時代や環境による変化が語られました。

「誰かのためのメイク」と「自分のためのメイク」の間での葛藤や悩み

「トークセッション」冒頭は、「メイクにまつわる黒歴史」がテーマでした。
「小顔に見せたくて肌を真っ黒に焼いていた」というちふれ社員のエピソードや、「1970年代の強い女性に憧れて、跳ね上げラインの『ブルゾンちえみ風』メイクを3年間続けていた」といった山崎先生の意外な過去が明かされ、会場は笑いに包まれました。これらのエピソードを通じ、「その時はそれがかっこいいと信じていた」といった、当時の自己表現と、時代や環境による変化が語られました。

• SNSやパーソナルカラーの呪縛:
「イエベ・ブルベ」(イエローベースとブルーベース)などの診断に縛られ、自分の好きな色が使えなくなった経験や、Instagramでの反応を気にして「普通の人に見える無難なメイク」を選んでしまったなど、現代特有の葛藤や悩みにも触れられました。

• プロの使い分け:
ちふれ美容研究部の社員からは、「仕事ではお客様に安心感を与える『売り手としてのプロの自分』を作るが、プライベートでは真逆の濃いリップや好きなメイクを全力で楽しむ」という、「社会人としての役割」と「個人の楽しみ」を両立させる考え方が提示されました。
「私らしさ」は柔軟にアップデートしていい

「なりたい自分」や「私らしさ」とは何かというテーマに対し、ちふれ社員からは「環境や変化に合わせて柔軟にアップデートできる自分」という考え方が示されました。
大学生時代、野球場で売り子のアルバイトをしていた時は、遠くからでも目立つ華やかなメイクでエネルギッシュさを表現していた登壇者も、現在は透明感のあるナチュラルなベースメイクに力を入れていること、また、「なりたい自分」に合わせて、化粧を「手段」として使いこなすことで、自己肯定感を高めることの有効性が語られました。

2. グループ別座談会

後半の「グループ別座談会」では、少人数に分かれて議論を深めました。
自分に合うメイクの探求や始めたきっかけ、さらにはメイクのTPOや就活における自己表現とマインドの切り替え、パーソナルカラーの主体的な解釈、そして他者との関わりやメディアを通じて見いだす「自分らしさ」の確立など、多角的な視点からメイクと自己のあり方について議論しました。単なる化粧の方法論ではなく、「なぜメイクをするのか」「社会の中でどう自分を表現するか」という、アイデンティティに関わる深い対話も行われました。

3. リアクションペーパーから見えた受講生の心の変化

受講生が提出したリアクションペーパーからは、化粧品会社の社員という「メイクのプロ」にも自分たちと同じような「メイクの黒歴史(失敗談)」や葛藤があったことを知り、親近感と安心感を抱くようになったことが分かります。今後、デザイン思考にもとづく授業を社員の方々と一体感をもって進めていくうえでは、親近感や安心感は極めて重要です。また、「パーソナルカラー」などの固定観念から解放されたこと、さらにはメイクを通じた自己理解が深まり、前向きな挑戦意欲が芽生えたなど、受講生の成長がうかがえます。
次回予告:美容研究部によるデモンストレーション

次回の第3回授業では、今回の対話を受けて「実際のメイクってどうなの?」という問いに答えるべく、美容研究部によるデモンストレーションが実施されます。学生5名がモデルとして登場し、プロの技によってメイクで大きく変わる人の印象をリアルに体験します。

第1回 「本当に欲しい『就活メイク』の条件を探る」

4月9日の第1回授業「ガイダンス」には150名を超える履修希望者が参加し、アンケート結果からも女子大生のメイクやスキンケアへの関心の高さがうかがえました。「私らしさとは何か」を考えたいという受講理由を挙げた学生も多かったです。
初回授業ではガイダンスの後、「本当に欲しい『就活メイク』の条件を探る」と題したペアワークを行い、お互いに相手の深層心理に迫り、デザイン思考の最初のステップである、「共感」の重要性や奥深さを体感しました。
受講生が提出したリアクションペーパーからは、受講生は単なるメイクやスキンケアの技術だけでなく、社会的な文脈や自己理解としてのメイクに強い関心をもっていることが分かりました。ペアワーク等を通じて、肌の悩みやメイクへの苦手意識を持っているのは自分だけではないと知り、他者への共感を通じて安心感を得た学生も多くいました。他者のメイクに対する考え方や価値観を聞くことで、自分一人では気づかなかった「メイクの捉え方」や、客観的に見た自分の魅力に気づかされたという声もありました。

学生同士が対話を通じて共感し学び合うことの価値や重要性を、学生自らが証明してくれた初回授業となりました。
次回からはちふれホールディングス様にご協力いただき、デザイン思考の「共感」ステップをさらに深めていく授業が続きます。
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