シミュレーション・ヒューリスティックsimulation heuristic
想像すると、そんな気がしてくる
- たとえば…
- まだ試験も受けていないのに、合格後の大学生活を思い描いていたら、もうすっかり大学に受かったような気になった。
(1) あなたが苦手なこと(例えば、大勢の前でプレゼンテーションするなど)にチャレンジするとして、失敗しそうな確率はどのくらいだと思いますか。
( ) %
(2) では、その苦手なことにチャレンジする場面を頭の中で具体的にシミュレーションしてみてください。
もう一度お尋ねします。失敗しそうな確率はどのくらいだと思いますか。
( ) %
例題(1)よりも、シミュレーションをした後の例題(2)のほうが、失敗しそうな確率を高く見積もったのではないでしょうか。例えば、苦手なこと(例題では大勢の前でのプレゼンテーション)にチャレンジする場面をイメージしたとき、その場面でもっとも起こりそうなこととして、「言葉が出てこなかったら」「聴衆に冷たい目で見られたら」「頭が真っ白になってしまったら」といったことを思い描いてしまうと、実際よりも失敗しそうな確率を過大に評価することがあります。これは、頭の中にシナリオを描いて帰結を推測するとき、そのもっともらしさ(代表性)の程度に従って確率を判断するためで、シミュレーション・ヒューリスティックと呼ばれています。
関連記事:代表性ヒューリスティック
【参考文献】
Kahneman, D., & Tversky, A. (1981). The Simulation Heuristic. Preparation of this report was supported by the Engineering Psychology Programs, Office of Naval Research.