現在志向バイアスpresent bias
明日の百より今日の五十
- たとえば…
- 今日からダイエットをするつもりだったけど、こんなに美味しそうなケーキを目にしたら、食べないわけにはいかない。ダイエットは明日からにしよう。
(1) 次の2つの選択肢のうち、あなたならどちらを選びますか。
- いますぐ3万円もらえる
- 1年後に4万円もらえる
(2) では次の2つの選択肢の場合はどうでしょうか。
- 1年後に3万円もらえる
- 2年後に4万円もらえる
例題(1)では(A)、例題(2)では(D)と答えた方が多いのではないでしょうか。いずれも1万円を余分にもらうには1年間という同じ時間を待つはずなのに、いますぐにもらえる3万円は特別な価値があるような気がしてしまいます。「明日の百より今日の五十」ということわざが示すように、人間には将来の利益に比べ、現在の利益に過度の重みづけをする傾向があります。これが現在志向バイアスです。
現在志向バイアスは、日常生活のいたるところで見られます。たとえば,ダイエットをして理想的な体型を手に入れようと意気込んでいても、目の前に美味しそうなケーキを差し出されると、つい手を伸ばしてしまうというのも、いますぐの喜びを優先する現在志向バイアスによるものと考えられます。人間は、「アリとキリギリス」の寓話に例えるならば、キリギリスのような性質を持っているというわけです。