ホーソン効果Hawthorne effect
注目されるだけで変わる
- たとえば…
- 上司に注目されていると思うと、いつもよりもはりきってしまう。
1924年、アメリカのある通信機器メーカーは、生産性を向上させるため、専門家を迎えて自社のホーソン工場で大規模な実験を行いました。最初に行われたのは照明に関する実験で、照明を段階的に明るくする場合と明るさが一定の場合で、どちらの生産性が向上するかが調べられましたが、いずれの場合も一貫して生産性は向上し、照明の違いは何ら作用しないという予想外の結果が得られました。これは報酬や休憩時間を変えた場合も同じで、何をしても生産性は向上しました。
どうして、このような結果になったのでしょうか。
その後の調査研究により、ホーソン工場における生産性の向上は、従業員の心理的な変化に基づくものであることがわかりました。自分たちの工場が実験の対象に選ばれたことで、そこに働く従業員たちに、自分たちは注目され期待されているという意識が芽生え、一人一人が努力するようになったということです。このように注目されている、観察されているという事実だけで、対象者の行動に変化が起きることをホーソン効果と呼びます。観察者効果と呼ばれることもあります。
【参考文献】
メイヨー, E. 村本栄一(訳)(1967). 産業文明における人間問題 -ホーソン実験とその展開(新訳) 日本能率協会