錯誤相関illusory correlatiion
火のない所に煙は立たぬ?
- たとえば…
- 今朝、黒猫に前を横切られたから、何かよくないことが起こるんじゃないかと心配。
A型、B型、O型、AB型の人に対して、あなたはどのようなイメージを持っていますか?それぞれの血液型のイメージを、思いつくまま書き出してください。
- A型のイメージ
- B型のイメージ
- O型のイメージ
- AB型のイメージ
佐藤・渡邊(1992)を参考に作成
私たちは、実際には関連しない出来事の間に、間違った関連性を見出すことがあります。この傾向を、錯誤相関と言います。そして、この錯誤相関が、差別や偏見を生み出す原因の1つになることもあります。
たとえば、あなたは、A型、B型、O型、AB型の人に対して、どのようなイメージを持っていますか?このような質問をした場合、日本では少数派になるAB型やB型は、比較的人数が多いA型やO型に比べると、あまり望ましくないイメージを多く挙げられがちです。
実は、この例題に限らず、少数派の人は、一般的に悪いイメージを持たれやすいようです。これは、事実に基づくものではなく、私たちが世界を認知する方法に原因があります。私たちは目立つものに注目しやすい傾向を元々持っています。少数派の人は珍しいので目立ちます。また、悪い行いをする人も目立ちます。そのため、少数派の人が悪い行いをすると、目立ちやすさが重なり、多数派の人が悪い行いをしたときよりもはるかに記憶に残りやすくなります。その結果、少数派の人が特に悪い行いをしているという事実はどこにも存在しないにも関わらず、少数派の人がいつも悪いことをしているようなイメージが頭の中に出来上がります。その結果、少数派の人がいわれなき非難を受けることが、しばしば起こります。
【参考文献】
Hamilton, D. L., & Gifford, R. K. (1976). Illusory correlation in interpersonal perception: A cognitive basis of stereotypic judgments. Journal of Experimental Social Psychology, 12, 392-407.