知識の呪縛curse of knowledge
ワタシの常識は、アナタの常識
- たとえば…
- 職場で毎日のように使っている言葉を友だちの前で何気なく使ったら、友だちには通じなかった。
ある人があなたの知らないことを丁寧に説明してくれたのですが、あなたはそれに対して、よく理解できなかったとします。説明してくれた人に、「よく理解できなかった」と告げると、その人はとても驚いた様子で、「どうして分からないのかが分からない」と言います。
さて、どうしてこのようなことが起きてしまったのでしょうか。
理由を考えてみてください。
( ) から
人は、自分が知っていることを他者も知っていると思ってしまう傾向があります。つまり、ある事柄について知識を得ると、その知識を持っていない人のことを想像しにくいという現象が起きます。これは「知識の呪縛」と呼ばれています。
少し極端な言い方をすると、私たちは「自分の常識は誰にでも通じる」と思っているフシがあります。自分にとって知っていることが当たり前のように思えることが、他者にも同じように当てはまるとは限りません。このような思いは、たとえばコミュニケーションのなかで、「なぜ、知らないの?」「なんで、分からないの?」といった態度や言動、行動に現れる可能性があるでしょう。そして、それはときに自分と他者との間に険悪な事態を招いてしまうことがあります。