平均以上効果above average effect
自分は結構イケてると思う
- たとえば…
- 自動車免許をもっている人は、自分の運転はまあまあ上手いほうだと思っている。
あなたは、リーダーシップ能力があるほうですか。
下記から当てはまるものを選んでください。
- あると思う
- 人並以上にはあると思う
- 他の人よりはないと思う
- ないと思う
例題に関して、アメリカの高校生を対象に行った調査では、自分は平均以上のリーダーシップ能力を持っていると答えた生徒は約70%、平均以下だと答えた生徒は2%しかいなかったという報告があります。日本ではどうでしょうか。
ある特性や能力において、一般平均以上であると自己評価する傾向のことを平均以上効果と言います。こうした思考の傾向は、自分自身を好ましく考える自己奉仕バイアス(self-serving bias)の一種とみなすことができます。
また、平均以上効果とは逆に、平均以下効果と呼ばれる現象もあります。例えば、普段なら難なくこなせるような得意なことが、いったん苦境に陥ると、自分はできないが、他の人はこなせるような気がして、自分の能力を過小に評価することが知られています。
これらの現象には係留・調整ヒューリスティクが関与することが指摘されています。人は、まず自分の評価を基準点(係留=アンカー)として、その基準点を参考に、周囲の平均に対して評価(調整)を行うということです。
【参考文献】
Myers, D. (2010). Social Psychology (10th). New York: McGraw-Hill.
ゼックミスタ, E. B., & ジョンソン, J. E. 宮本博章・他(訳)(1996). クリティカルシンキング入門編 北大路書房