不作為バイアスomission bias
何もしないほうがマシ?
- たとえば…
- 掃除をしたほうが良いと思ったが、勝手に掃除をして怒られるより、何もしないで怒られるほうがマシだと思い、何もしなかった。
仮に、年間1000人の命を奪っている感染症Xが流行っているとします。そこに、感染症Xにかからない薬が開発されました。ただし、この薬は重篤な副作用により、年間700人ほどの命が奪われることが予測されています。
この薬は人々に受け入れられると思いますか?
- 受け入れられる
- 受け入れられない
合理的には300名の命を助けるために「受け入れる」と答えるところですが、実際は「受け入れない」と答える人が多いと言われています。これは、何かをしてマイナスの結果になるよりも、何もしないでマイナスの結果になるほうがマシという思考のバイアス、すなわち不作為バイアスが関わっています。例題では死者が30%減少しますが、そのような効果では、人は新しいことを試したがらないようです。
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【参考文献】
Spranca, M., Minsk, E., & Baron, J. (1991). Omission and commission in judgment and choice. Journal of Experimental Social Psychology, 27, 76-105.