正常性バイアスnormalcy bias
まだ大丈夫、逃げるほどではない
- たとえば…
- 豪雨のため避難勧告がでたが、過去一度も近くの河が氾濫したり家が浸水したりしたことはないので、避難するほどではないと思った。
あなたの職場や学校などで警報装置が作動したとします。避難訓練のときに聞いたことのある警報音ですが、これまで実際に、避難すべき事態で鳴ったのを聞いたことは一度もありません。あなたはどのような行動をとりますか。
- 特に行動しない
- 警報装置の誤作動がないか確認する
- 他の人たちの状況をみて行動する
- 避難訓練で行った通りに行動する
例題では、(D)を選んだ人は少ないかもしれません。
人は、滅多にない出来事に対して鈍感になると言われています。つまり、自然災害や事故、事件などが予測される状況下にあっても、人は「まだ大丈夫」「今回は大丈夫」など、都合の悪い情報を無視したり過小評価するとされています。これは、正常性バイアスと呼ばれ、災害時に逃げ遅れてしまう恐れがあります。実際、過去におきた災害のなかには、パニックによる逃げ遅れよりも、むしろ正常性バイアスの心理が作用して逃げ遅れてしまったケースがあることが指摘されています。