曖昧さ回避ambiguity aversion
はっきりしないと選べない
- たとえば…
- 5千円の福袋を買うとして、「3万円相当の中身の見えない福袋」と「2万円相当の中身が見える福袋」なら、後者を選ぶ。
ここに中身が見えない2つのクジ引きの箱、AとBがあります。
箱Aには、アタリとハズレの玉が50個ずつ入っています。
箱Bには、アタリとハズレの玉が合わせて100個入っていますが、その割合は分かりません。
箱Aと箱Bのどちらかを選び、アタリを予想して引き当てたら賞金がもらえるとします。
あなたは箱Aと箱Bのどちらを選びますか?
- 箱A
- 箱B
例題では、(A)「箱A」を選んだのではないでしょうか。
これまでの研究で、例題と同じような課題を設定すると、箱Aを選ぶ人が多いことが分かっています。
この場合、箱Aか箱Bかの的中率は五分五分です。しかし、人は、不確実な状況を避けるようです。不確実な状況とは、リスクの確率が未知のことを指します。日常生活では、あらゆる事象にリスクが存在していますが、それがどの程度なのか、確率が分からないことが多くあります。そうすると、人は「分からない」という曖昧な状況で選択することを避けようとします。
この傾向は曖昧さ回避と呼ばれています。また、例題の「アタリを引き当てたら賞金がもらえます」を「ハズレを引いたら罰金をいただきます」に変えると、この回避傾向はさらに強まることが分かっています。
曖昧さ回避は、曖昧性忌避、不確実性回避とも言います。また、例題のような実験は、経済学者エルスバーグらによって検証されたことから、エルスバーグのパラドクスという呼び名でも知られています。
【参考文献】
Ellsberg, D. (1961). Risk, Ambiguity, and the Savage Axioms. The Quarterly Journal of Economics 75, 643–669.