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リスク補償risk compensation

元の木阿弥

たとえば…
運転免許を取得したばかりの頃は安全運転を心がけていたが、最近はすっかり制限速度を守らなくなってしまった。

考えてみよう

見通しが悪く、交通事故が多発していた道路が整備されました。道路が整備される前と比べ、交通事故は減るでしょうか。

  • 道路が整備される以前より減る
  • 道路が整備される以前と同じ
  • 道路が整備される以前より増える

解説

道路が整備されれば、当然、事故は減ると考え、例題ではAを選んだ人が多いかもしれません。しかし安全対策が進み、身の回りの環境の危険性が低下したと感じられると、まるでその埋め合わせをするかのように、以前よりも危険性が高い行動をとる傾向が人間にはあるようです。これをリスク補償行動といいます。つまり見通しが悪い道路を整備しても、思ったほど交通事故が減らないことがしばしばあり、それはドライバーが以前よりも危険な運転をするようになったからだと考えられるでしょう。

リスク補償行動は、環境の変化によって生じるだけでなく、慣れや訓練によって、自らリスクをコントロールできるようになったと感じる場合にも生じます。たとえば、運転免許を取得したばかりの頃は安全運転を心がけていても、運転歴が長くなると制限速度以上のスピードを出したり、無理な追い越しをしてしまったりするのはそのためでしょう。

【参考文献】
ワイルド, G. J. S(著), 芳賀繁(訳)(2007). 交通事故はなぜなくならないか ―リスク行動の心理学  新曜社

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