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確実性効果certainty effect

それは確実なこと?

たとえば…
成功する確率が98%だと言われると、残りの2%が気になってしまう。

考えてみよう

くじを引いて当たったら100万円がもらえるとします。当選確率が次のように変化するとき、あなたなら、どの場合が一番、嬉しく感じますか。

  • 95%から100%に上がる
  • 60%から65%に上がる
  • 5%から10%に上がる
  • 0%から5%に上がる

カーネマン(2014)を改変

解説

私たちが主観的にとらえる確率は客観的な確率と一致せず、客観的には低い確率が主観的には過大評価されたり、客観的には高い確率が主観的には過小評価されたりすることがあります。なかでも、90%台だったものが100%に変化する場合と、0%であったものが数%に変化する場合には、実際の数字以上の大きな変化が感じられます。たとえば例題の選択肢は、どれも5%分、当選確率が上がったことには変わりがないのに、AやDの変化は、BやCの変化よりも嬉しく感じられたのではないでしょうか。Aのように、わずかながら不確実だった出来事が、確実な出来事になることで感じられる心理的な変化は、確実性効果と呼ばれています。一方、Dのように、まったく可能性がなかった出来事が、わずかながらでも可能性がある出来事になることで感じられる心理的な変化を、可能性効果といいます。

確実性効果や可能性効果は、例題のような良い出来事のときだけでなく、悪い出来事の場合にも見られます。たとえば馴染みのない病気に罹ったときに、死亡する確率は0%だと言われる場合と、死亡率は2%だと言われる場合では、感じられる不安はまったく異なることでしょう。あるいは、手術の成功率が100%だと言われる場合と、98%と言われる場合でも印象が大きく異なることでしょう。一般にどのような出来事であってもリスクをゼロにすることは、もとより不可能です。しかし私たちは、100%安全だと言われない限り安心できず、それを受け入れることができません。このようなゼロ・リスクへのこだわりも確実性効果がもたらすものと考えられます。

【参考文献】
カーネマン, D.  村井章子(訳)(2014). ファスト&スロー(下) 早川書房

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