単純接触効果mere-exposure effect
繰り返しのマジック
- たとえば…
- 知らないアーティストの曲を初めてきいたときには、特に何とも思わなかったけれど、繰り返し聞いているうちに、いい曲だと思うようになった。
あなたは、ここ数日、テレビやYouTubeで、新商品のお菓子の広告を何度か目にしました。その新商品に対する印象は、どう変わったと思いますか。あなたの考えに近いものを選んでください。
- その新商品がだんだん良いものに見えてきた
- その新商品がだんだん悪いものに見えてきた
- 前と変わらない
あなたは(A)~(C)のどれを選びましたか?
私たちは、同じ対象に繰り返し触れるだけで、(A)のように、その対象をだんだん好ましく感じるようです。これを、単純接触効果と言います。この単純接触効果は、八角形や五角形などの単純な図形であっても、意味のある単語であっても、実在する人や物の写真であっても生じることがわかっています。また、視覚刺激だけでなく、聴覚刺激によっても、単純接触効果は生じます。単純接触効果が生じるのは、繰り返し同じ対象に触れ、その対象を頭の中で処理しやすくなると、私たちはそれを心地よく感じるためだと考えられています。
なお、このような単純接触効果は、どの対象にも同じ強さで生じる訳ではありません。例えば、最初に見た段階で不快に感じるような対象に対しては、繰り返し触れても、好意度が上がることはないようです。
【参考文献】
Zajonc, R. B. (1968). Attitudinal effects of mere exposure. Journal of Personality and Social Psychology Monograph Supplement, 9(2), 1-27.
Perlman, D. & Oskamp, S. (1971). The effects of picture content and exposure frequency on evaluations of Negroes and whites. Journal of Experimental Social Psychology, 7, 503-514.