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自己関連付け効果self-relevance effect

自分にひきつけて考える

たとえば…
授業の中で聞いた先生の話が自分の経験したことと似ていて、よく覚えていたのだが、その話を覚えていたのは自分の他に一人しかいなかった。

考えてみよう

(1)~(4)の単語を見て、各問に「はい」か「いいえ」で回答してください。

(1) カワイイ
問:この形容詞はカタカナで書かれていますか

はい ・ いいえ

(2) 美しい
問:この形容詞は「苦しい」と同じ韻を踏んでいますか

はい ・ いいえ

(3) 明るい
問:この形容詞は良い意味だと思いますか

はい ・ いいえ

(4) 優しい
問:この形容詞はあなたにあてはまりますか

はい ・ いいえ

Rogers(1977)より一部改変

解説

例題のように、実験参加者に、記憶の実験であることを知らせずにある課題を行ってもらい、しばらく経ってから、その課題のなかで提示された語句などを思い出してもらう課題を「偶発的学習課題」といいます。

例題では(1)から(4)になるほど、判断するのに労力がかかります。労力の度合、つまり物事を判断するなど情報を処理する度合のことを処理水準と言いますが、その処理水準が深くなるほど、その後の記憶成績がよくなることが報告されています。特に、(4)のように自分自身のことに関連づけて回答したことは(1)~(3)に比べて再生率が非常に高くなることが実験で確かめられています。

この現象は、自己関連付け効果または自己参照効果と呼ばれています。このことは、学習場面などでは、「他人ごと」ではなく「自分ごと」として捉えたり、考えたりすることが記憶の定着にも有効であることを示しています。

【参考文献】
Craik, F. I. M., & Tulving, E. (1975). Depth of processing and the retention of words in episodic memory. Journal of Experimental Psychology: General, 104(3), 268-294.
Rogers, T. B., Kuiper, N. A., & Kirker, W. S. (1977). Self-reference and the encoding of personal information. Journal of Personality and Social Psychology, 35(9), 677-688.

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