ナイーブ・リアリズムnaive realism
私は正しい
- たとえば…
- この問題を解決するためには、普通に考えればこの方法しかないと思うのに、反対する人がいたと聞いてびっくりした。
あなたの会社のロゴマークが新しく作られることになりました。このロゴマークは、今後、名刺やパンフレットなどにも印刷され、会社のブランドイメージに関わる重要なものです。異なるデザイン会社から、それぞれA案とB案が出され、どちらの案を採用するかを社員全員の投票で決めることになりました。あなたは、2つ案を見たときに、「これはA案しかないな」と思いました。
投票の結果、A案とB案のどちらが採用されたと思いますか?
- あなたが投票したA案
- あなたが投票しなかったB案
例題に対して、あなたはどのように答えましたか?
私たちは、自分の判断は正しく、正当な判断力を持つ人は、当然自分と同じように判断するに違いないと考える傾向を持っています。そのため、このような場合、自分が投票したA案のロゴマークに他の人も当然投票するだろうと予想しがちです。そして、自分が投票しなかったB案が採用されたときは、「みんなのセンスはおかしい!」「何か裏があるのでは…」などと考えます。
私たちは、自分は客観的に現実を認識しており、客観性のある人は、自分と同じように現実を認識するはずだと信じています。そして、この信念ゆえに、他の人の認識が自分と異なると、その人の考え方は不正確で、歪んでいるように感じるようです。このような信念を、ナイーブ・リアリズムと言います。
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【参考文献】
Ross, L., & Ward, A. (1996). Naive realism in everyday life: Implications for social conflict and misunderstanding, In T. Brown, E. S. Reed & E. Turiel (Eds.), Values and Knowledge (pp. 103-135). Hillsdale, NJ: Erlbaum.