ナイーブ・シニシズムnaive cynicism
あなたたちは自分勝手だ
- たとえば…
- それほど貢献していないのに、うちの上司は、「自分がいたからこの企画は成功した!」と思っているに違いない。
あなたはチームメイトと協力して敵を倒すアクションゲームに参加しています。あなたとチームメイトは初対面で、2人のゲームの腕前は同じくらいです。ゲームが終わった後、「敵を倒すときの自分自身の貢献度」について、ゲームの主催者から尋ねられました。
このとき、チームメイトは自分自身の貢献度についてどのように答えると思いますか?最大を100%として、あなたの予想を書いてください。
( ) %くらい
Kruger & Gilovich (1999)を一部改変
例題に対して、あなたはどのように答えましたか?
「ゲームで敵を倒すときの貢献度」のように望ましい行動について尋ねた場合、ここで予想される貢献度は、実際にチームメイトが答えた自分自身の貢献度より大きな値を取りがちです。一方、「ゲーム上の失点に対する責任度」など、望ましくない行動について尋ねた場合、予想される責任度は、実際にチームメイトが答えた責任度より小さな値になるようです。つまり、「世の中の人は、自分に都合よく貢献度を判断しているに違いない」という信念を私たちは一般的に抱いていると言えます。
このように、私たちは、他者の判断には自己中心的なバイアスが見られると過度に予想しがちです。これをナイーブ・シニシズムと言います。ただし例外もあり、自分については客観性を備えた冷静な観察者であると自負しているようです。こちらをナイーブ・リアリズムと言います。このような信念は、貢献度に関する判断に限らず、さまざまな領域で見られます。
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【参考文献】
Kruger, J., & Gilovich, T. (1999). "Naive cynicism" in everyday theories of responsibility assessment: On biased assumptions of bias. Journal of Personality and Social Psychology, 76, 743-753.