ステレオタイプstereotype
型にはめる
- たとえば…
- 日本人は真面目で几帳面だ。
次に挙げる人たちについて、あなたが思い浮かべる特徴を列挙してみましょう。
(1)
- イタリア人
- ドイツ人
(2)
- 営業職
- 経理職
(3)
- 高齢者
- 若者
私たちは、性別、人種、職種、年齢など、さまざまなカテゴリーで区分された集団やその集団のメンバーに対して、抽象化された知識を持っています。これをステレオタイプといいます。このような知識があるために、たとえこれまでに会った経験がなくても、「イタリア人とはどのような人たちか」と問われれば、その特徴を容易に挙げることができます。
ステレオタイプとは、もともとはステロ版(鉛版)という印刷技術を指し、そこから転じて「型を用いて印刷されたかのように同じもの」を意味します。つまり、「イタリア人は陽気だ」というステレオタイプをもっていた場合、私たちは、それをどのイタリア人にも同じように当てはめてしまいます。しかしステレオタイプは、たとえ全体として見れば正しいものだったとしても、そのカテゴリーに属するすべての個人に当てはまるものではありません。むしろ、先入観をもって人を見ることで、確証バイアスや予言の自己成就を引き起こしてしまうことがあります。
【参考文献】
上瀬由美子 (2002). ステレオタイプの社会心理学-偏見の解消に向けて (セレクション社会心理学) サイエンス社