新座市に暮らす小松パパッソンさんは、タイ王国バンコク生まれ。タイの大学で日本語を専攻し、卒業後在タイ日系企業で通訳、秘書として働いた。会社で知り合った日本人男性と結婚し2001年に来日。現在は新座市をはじめ各地でタイ語講師やタイ文化を紹介する日々を送る。ボランティア活動にも精力的に取り組み、国際交流の先導者でもある。
(取材班 コウサイカ、坂田莉菜、高橋奈々)
笑顔でインタビューに答えるパパッソンさん
―― 日本へ来る前と来た後の印象に違いはありますか?
パパッソンさん 私は大学生の時に日本へ来ました。その時には楽しい事がいっぱいで、日本はいい国だなと思っていました。日本の奥さんは外で働かず、ゆっくり家事とか料理を作ったり子育てしたりしていて、もし日本人と結婚したら日本に住めたらいいなと思っていました。でも念願がかない日本に来て今年で14年目になるのですが、やっぱり楽しいこともありますが、苦しいことや辛いこともあります。大学生の時は楽しい旅行とかおいしい料理のことしか考えてなかったのですが、現実に生活することはどこにいても苦労はありますね。
―― 日本ではどのような活動をしていますか?
パパッソンさん 私はタイ語やタイの文化を紹介するボランティア活動をしています。日本に来る前は10年ぐらい日系企業で働いていました。大学で日本語を専攻しました。完璧にできた訳ではなかったのですが、2、30年前は日本語を勉強する人は少なく、日本語を勉強していれば就職に有利かなと思っていました。日系企業で働いて日本人の考えとか、日本人のマナーとか文化とか結構分かってきました。日本に来て私の日本語の能力を役に立てたらいいなと思い、通訳や翻訳ボランティアなどをしています。
パパッソンさんからお借りした民族衣装を着てインタビューに臨む
―― タイのいいところを教えてください。
パパッソンさん いろいろありますが、よく言われるのは、「微笑みの国」です。日本の方も結構ニコニコしていますが、私の国はストレスとかあまりないので、物事を深刻に考えすぎない国かなと思います。日本でも経済的、社会的に苦しい人はいますが、タイもあまり変わりません。日本では自殺が多いですが、タイはほとんどありません。私の国は問題があっても何でもニコニコ。良いことだなと思います。
パパッソンさんからの手ほどきを受け民族衣装に着替える
―― 日本に来たばかりのとき、困ったことがあったらどうしましたか?
パパッソンさん 私は日本に来たとき、日本語はできる方だと思っていました。しかし、日本人と私の考え方が合わなくてちょっと困っていました。それから困ったことや苦しいことはすべて夫のお母さんに相談しました。お母さんからは、この場合日本人ならどう考えるかなど全部教えていただきました。
―― 日本食で好きなものはありますか?
パパッソンさん 私の国は暑い国なので、火が通ってない料理は食べられません。日本のお魚は新鮮ですごくおいしいなと思います。タイのお米は結構有名ですけど日本のお米はモチモチで、新鮮なお魚を乗せて醤油をつけて、わさびつけて食べるのがすごくいいなと思います。そんなに手のかからない料理なのに、なんでそんなに薄味なのかは想像できなかったですね。だから私はおすしがすごく大好きです。大トロとか貝類とかもおいしいです。
パパッソンさん(左)と記念写真
インタビューを終えて
◇実際に日本に住んでいる外国の方から日本で暮らし始めてからの体験談や日本の良いところを聞けて興味深かったです。自分の国がさらに外国人に住みよい場所になるといいなと思いました。(高橋奈々)
◇外国で生活することはとても勇気がいることだと思います。自国を離れることでタイの文化をより深く学び、私たちに教えていただきとても楽しい時間を過ごすことができました。手作りの花かりんとうが美味しかったです!(坂田莉菜)
◇中国からの留学生ですが、外国人として外国人をインタビューすることがとても面白かったです。いろいろ勉強になり、いい経験になりました。(コウサイカ)