(取材班:加藤ひなた、コウサイカ、ソウジュ、リテイギョク)
アンナさんの出身地は、ロシアの中央部にあるクラスノヤルスク市で、自然が美しく噴水で知られる町である。
「11月になると雪が降り始めるので、きっと今頃は積雪しているでしょう。クリスマスや新年はとてもいい雰囲気になります。ロシアの自然、特に湖の周りの風景はとても素晴らしいです」
笑顔で質問に答えるアンナさん
ロシアの大学で日本語を教えているアンナさんは、現在日本語国際センターで日本語と日本語教授法を勉強している。研修にはいろいろな科目があるが、最も好きな科目は文法だ。
日本語を学ぼうと思ったきっかけは何か。「大学に入る前にアジアの文化に興味があって、最初は中国語を勉強しようと思ったのですが、日本語よりも発音が難しく、日本語のほうが分かりやすいから、大学で日本語を専門に選びました」
日本で一番楽しかったことは埼玉県でのホームステイの経験。実はアンナさんの大学の卒論テーマは「家庭教育・学校教育・道徳教育」だった。「ホームステイによって、以前読んだり書いたりしたことを、自分の目で検証するチャンスがあって感動しました」
ホームステイ以外でも日本の家庭と交流する機会があり、授業で日本人にインタビューすることも。「ロシアと日本の文化には違いはあるけれど、日本文化を勉強するうちに、日本人のことがだんだん分かってきました」
互いの出身地を確認し合った
日本の食文化では日本式カレー・お好み焼き・天ぷらが気に入っており、アイドル文化のないロシア人としては「嵐」にとても関心や興味がある、と楽しそうに語った。
時間があるときは東京に行くことが多い。上野に行った時、人がいっぱいで観光しにくいと感じた。今後は秋葉原などの「面白そうな場所」を見つけて行ってみたいという。
驚いたことは、ロシアではパスポートが一番大事だけれど、日本ではどこに行ってもクレジットカードが必要だということ。「日本に来たばかりの時は困りました」と振り返った。
また、日本での旅行についても語ってくれた。3年前に札幌に行った時は、大通りが故郷にそっくりで歩いている人が少ないという共通点から、まだロシアにいる感覚にとらわれたとか。旅好きのアンナさんは冬休みに京都へ行く予定で、すでにホテルを予約し冬の古都を心待ちにしている。「これからも日本の色々な場所に行き、様々な体験をしたいですね」
帰国後は、勤務先の大学で引き続き日本語や日本文化を教えたい、と語ってくれた。
国際交流基金日本語国際センター(さいたま市北浦和)は、国際文化 交流事業を実施する独立行政法人国際交流基金の附属機関として、海外 の日本語教育を促進するため、1989年の設立以来、海外日本語教師の研 修や日本語教材の開発を行っています。これまでに世界各地の、のべ1 万人以上の日本語教師が研修を受けました。
アンナさんにインタビュー
取材を終えて
◇アンナさんが日本に興味を持ったこと、ロシアとの違い、先生になったこと等がよく分かりました。インタビュー出来て良かったです。(加藤ひなた)
◇日本語国際センターでアンナさんにインタビューしてロシア人の目に映る日本が多少分かりました。アンナさんが言ったことは理解できることがあるし、理解できないこともあります。やはり国によって視点が違う。これは面白いなと思いました。(コウ サイカ)
◇アンナさんからは、外国語を学ぶ時、その難しさに負けず、母国語と違うところを見つけ、楽しく深く理解するという勉強方法を聞きました。これからの勉強に役立てたいと思います。勉強熱心なアンナさんに感心しました。(ソウ ジュ)