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教育人文学部

卒業研究は心理学科の財産です


心理学科は卒業研究が必修です。
そのテーマは学生さんが自分で選びます。

卒業研究では日常生活のギモンに、
心理学の知識と手法を活用して、アプローチします。
「心理学を活かした探究学習」と言えるかもしれません。

卒業研究は、卒業する学生さんが心理学科に残してくれる
素敵な発見であり、財産です。
その一部をおすそ分けします。

財産その15:箱庭で作る「死後の世界」には“今”を自分らしく生きるヒントがある?

WHさん(2025年3月卒 柏木ゼミ)
卒業研究の原題「青年期における死生観と現世の人生観の関連
~「箱庭で表す死後の世界」に着目して~」
1 「死」を考えることは「生」につながる?

「死んだ後ってどうなるんだろう?」と考えたことはありますか?軽く話し合えるテーマとは言いにくいですが、「死について考えること」は「今をどう生きていくか」とセットで考えることだと言われています。
WHさんは、箱庭を用いて「死後の世界」を表現することは、現在の死生観や人生観、自己理解を深めることに、どのような作用をもたらすのか調査しました。

2 大学生220名のリアルと17名の箱庭で作った「死後の世界」

質問紙調査と箱庭体験(面接調査含む)の2種類を実施しました。

その1:質問紙による調査
220名に「死後の世界を信じるか」「死とは何かについて考えることがよくある」等の質問を実施しました。

「死後の世界はある」派が47%でした。大学生の約半数が「ある」と回答し、「あるかないかは分からないが可能性はある」と考えている人ほど、死について前向きに捉え、「今を大切に生きよう」という意欲が高い傾向であることも分かりました。
その2:箱庭体験
アンケート調査に協力いただいた方のうち、希望者17名に「自分の考える死後の世界」を作成してもらいました。

箱庭で作った「死後の世界」の人気アイテムTOP5には共通点がありました。
<第1位>水辺(川・湖):12名(三途の川や穏やかな癒しの象徴)
<第2位>植物(実がなる木):10名(食べ物に困らない豊かなイメージ)
<第2位>人間:10名(会いたい人との再会)
<第4位>宗教モチーフ(天使・マリア像):7名(神聖で安心できる場所)
<第5位>花(ハス・色とりどりの花):6名(平和や喜びの象徴)
☆全体的な箱庭作成の傾向☆
【死後の世界がある派】
死後の世界があってほしいという願望を具現化しているようでした。そのため、穏やかな印象の風景を箱庭全体で作成し最大限に範囲を活用していました。

【死後の世界がない派】
死後の世界に対するイメージが無いことから全体的に空間を活用するのではなく、箱庭内でいくつかのミニチュアのグループを作り、そのグループごとに死後の世界に対するイメージを表していました。

(上記は「イメージ図」です。
実際に作ってもらったものとは異なります)

☆実際に箱庭を作った後に行った面接では☆
「自分の考えが目に見えてすっきりした」
「自分の作る死後の世界を見て「死」に対するイメージが変わった」
といった前向きな感想を参加してくれた学生から聞くことができました。
3  「死」を考えることは「生」につながる!

「死」に関するテーマは避けられることも多く、他者と共有して思考を深めることが難しい話題です。一方で、一人ひとりの死生観は「生」と表裏一体であり、今後の人生にも影響を与えることが推測されます。「死」という正解のない大きな問いについて心理学の手法を用いて紐解くことは、個人の死生観や人生観を深めることにつながることが分かりました。

WHさんへインタビュー

・卒業研究の思い出
私は卒業研究と養護実習が重なっていたため、卒業研究の準備を進めながら養護実習や教員採用試験への準備を同時並行で進めていたことがハードな生活だったなと印象的で思い出に残っています。

・大変だったこと
「死」というテーマで、何を主軸にして研究をするかを決めることが大変でした。研究するにあたりテーマを絞る必要がありました。「死後の世界」にたどり着くまでは、色々な本や論文を読みながら沢山考えました。

・面白かったこと
「死後の世界があると思う人/ないと思う人」で作成する「死後の世界」は全く違うものになると思っていたのですが、実際に作成してもらうと、同じ考え方を持っていても全く違う表現であったり、逆に「ある・なし」でも共通点があったりしたことが面白かったです。また、各々が考えている死後に対する考え方と、大事にしている生き方の双方が「死後の世界」の表現に反映されていることも分かり、面白い発見でした。

過去の「卒業研究は心理学科の財産です」はこちら

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