卒業研究は心理学科の財産です
心理学科は卒業研究が必修です。
そのテーマは学生さんが自分で選びます。
卒業研究では日常生活のギモンに、
心理学の知識と手法を活用して、アプローチします。
「心理学を活かした探究学習」と言えるかもしれません。
卒業研究は、卒業する学生さんが心理学科に残してくれる
素敵な発見であり、財産です。
その一部をおすそ分けします。
そのテーマは学生さんが自分で選びます。
卒業研究では日常生活のギモンに、
心理学の知識と手法を活用して、アプローチします。
「心理学を活かした探究学習」と言えるかもしれません。
卒業研究は、卒業する学生さんが心理学科に残してくれる
素敵な発見であり、財産です。
その一部をおすそ分けします。
財産その1:ダンスの上手な人は振付けをどうやって覚えているのか?
ANさん(2025年3月卒。平田ゼミ)
卒業研究の原題「連続技能の記憶形成としてみた振り付けの学習過程」
卒業研究の原題「連続技能の記憶形成としてみた振り付けの学習過程」
ダンスは楽譜のない、複雑な動きの身体芸術です。
ダンスの上手な人は、どうやって振付けを覚えているのでしょうか。
心理学科のANさんは卒業研究で、この疑問に取組みました。
彼女は韓国の人気ダンスグループSTAYCの“POPPY”の15秒間(1:03-1:18) を、7人のダンス経験者に完コピしてもらいました。
お手本動画は3つの部分動画(0-4秒、4-8秒、8-15秒)と全体動画(0-15秒)、あわせて4種類について、通常速度(100%)と遅い速度(70%)で再生する8種類でした。
ダンスの上手な人は、どうやって振付けを覚えているのでしょうか。
心理学科のANさんは卒業研究で、この疑問に取組みました。
彼女は韓国の人気ダンスグループSTAYCの“POPPY”の15秒間(1:03-1:18) を、7人のダンス経験者に完コピしてもらいました。
お手本動画は3つの部分動画(0-4秒、4-8秒、8-15秒)と全体動画(0-15秒)、あわせて4種類について、通常速度(100%)と遅い速度(70%)で再生する8種類でした。
経験者7人は8種類の動画を自由に選んで観ながら練習する10分間と、音に合わせて踊るテストを3回、繰返しました。
ANさんは、7人がどの動画を何回観たかを記録し、テストの出来栄えを採点しました。
3回目のテスト結果から、7人の経験者は上手群2名、中間群3名、残念群2名に分類されました。
まず上手群2名が練習に選ぶ動画は他の5名と変わらない、と分かりました。
ダンスの技能に関わらず、7名は最初に遅い再生速度の部分動画で練習し、少しずつ通常速度での全体動画に移りました。
上手な人2名の特徴は、振付けを表現する言葉の「短さ」でした。
ANさんは、7人がどの動画を何回観たかを記録し、テストの出来栄えを採点しました。
3回目のテスト結果から、7人の経験者は上手群2名、中間群3名、残念群2名に分類されました。
まず上手群2名が練習に選ぶ動画は他の5名と変わらない、と分かりました。
ダンスの技能に関わらず、7名は最初に遅い再生速度の部分動画で練習し、少しずつ通常速度での全体動画に移りました。
上手な人2名の特徴は、振付けを表現する言葉の「短さ」でした。
(全体動画。再生速度100%)
3回目のテストの後、7人は振付けを言葉で説明するよう求められました(図2上)。
そのとき上手群2人が使った文字数は少なく、短い言葉で動きを表現していました(図2下の横軸はテスト3の得点、縦軸は1コマあたりの平均文字数)。
中間群のように多くの文字を使えば、振付けを詳しく記述できます。
しかし速く複雑なダンスを長い言葉で表現すると、動きが遅れてしまう可能性があります。
上手群の2人は短く的確な言葉で、目まぐるしく動く振付けを表現しているのかもしれません。
この卒業研究では、記憶という心理学の視点から、ダンスの学習過程に取組みました。
このように心理学は、日常生活に潜む心の働きにアプローチする学問といえます。
そのとき上手群2人が使った文字数は少なく、短い言葉で動きを表現していました(図2下の横軸はテスト3の得点、縦軸は1コマあたりの平均文字数)。
中間群のように多くの文字を使えば、振付けを詳しく記述できます。
しかし速く複雑なダンスを長い言葉で表現すると、動きが遅れてしまう可能性があります。
上手群の2人は短く的確な言葉で、目まぐるしく動く振付けを表現しているのかもしれません。
この卒業研究では、記憶という心理学の視点から、ダンスの学習過程に取組みました。
このように心理学は、日常生活に潜む心の働きにアプローチする学問といえます。