12月3日、公開講座「障害者の権利に関する条約により特別支援教育はどう変わるか~インクルーシブ教育システムの構築を目指して~」が開催されました。
東洋大学参与、中央教育審議会初等中等教育分科会「特別支援教育の在り方に関する特別委員会」委員長である宮﨑英憲氏を講師に迎え、障害者支援のあり方の変遷や障害者の権利に関する条約とそれに対する学校側の対応、インクルーシブ教育システムの構築に向けた社会の動きなど、図表を交えわかりやすくお話いただきました。
講義の中で、わが国における特別支援教育の現場での状況や、これから必要とされる環境整備などにポイントを絞りお話いただき、特に「合理的配慮」は一人一人の障害の状態や教育的ニーズ等に応じて決定されるものであり、それを提供する学校においては「教育内容・方法」、「支援体制」、「施設・設備」の3つの観点から考える必要があると話されました。
また、講義の最後には、現在のインクルーシブ教育のデータベースについて取り上げていただきました。具体的な事例等の検索が可能になっており、このデータベースを活用することで、同じケース等を検索でき、参考資料として役立てられるというお話で講義は締めくくられました。
特別支援教育というと一見、特殊で難しいテーマに捉えられがちですが、決してそうではなく、障害者の方々が社会を見据えた自立支援のために受ける教育であり、私たちが教育を受ける権利と同等のものであると感じました。参加者一人一人が講師の話に真剣に耳を傾けていた様子がとても印象的でした。