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教育人文学部

読んではいけない「文学作品」


名作と言われて素直にそれをうけいれてしまって、本当によいのか? もしかしたら、社会に悪影響を及ぼす迷惑な作品かもしれない。そんな“迷作”リストを紹介します。リスト内容は随時追加されますので、時々のぞいてみてください。
2026年月5月18日 更新

ヴァージニア・ウルフ「灯台へ」

「ええ、いいですとも。あした、晴れるようならね」ラムジー夫人はそう言ってから、つけたした。
「でも、うんと早起きしてもらいますよ」(鴻巣友季子訳)

情報が氾濫する現代において、取り入れなければいけないことが多すぎるためか、とにかくすぐわかる、すぐ楽しめることが求められています。それが当たり前だと思って生活している人からすれば、「ながら」活動ができない読書はコスパが悪い。いまや読書は、時間と金銭的余裕がある富裕層向けの趣味になりつつあるとか。

だったら長編小説をだらだら読むなんて貴族の贅沢じゃないですか!

あらすじを追うことでしか物語を楽しめない、そこの貧乏人! 君たちにヴァージニア・ウルフは一生かかっても理解できないだろうね。「あした灯台へ行きましょう」「あしたは無理だな」って言いあってる家族の一日と、その十年後に別荘に集った同じ家族のやりとりが、微に入り細に入り描かれるばかりで目を引くような出来事が起きないような物語を、頭脳をフル回転させながら読む快感は、君たちには、とうてい手の届かない贅沢だよ!

しかも当代きっての名手・鴻巣友季子の翻訳は、新潮文庫でたったの850円(税別)! それすら味わえないとは、なんて哀れなんだろうねえ、オーホッホッ!(選者:小林実)

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