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教育人文学部

読んではいけない「文学作品」


名作と言われて素直にそれをうけいれてしまって、本当によいのか? もしかしたら、社会に悪影響を及ぼす迷惑な作品かもしれない。そんな“迷作”リストを紹介します。リスト内容は随時追加されますので、時々のぞいてみてください。
2025年月11月26日 更新

川端康成「伊豆の踊子」

道がつづら折りになって、いよいよ天城峠に近づいたと思う頃、雨脚が杉の密林を白く
染めながら、すさまじい早さで麓から私を追って来た。

孤独に悩む青年が伊豆への一人旅に出かけて、途中旅芸人の一団と出あって、その中にいる一人の踊子に淡い想いをつのらせる…

というと、コミュ障の青年が旅先で出会った少女との恋愛を通して成長する青春ラブストーリーを思い浮かべるでしょうし、そんなつもりで読まれた名作かもしれません。

過去に何度となく映画化されましたが、踊子を演じたのが田中絹代、美空ひばり、鰐淵晴子、吉永小百合、内藤洋子、山口百恵と、そうそうたる顔ぶれからもわかるとおり、踊子が主人公として焦点化されています。

しかしですよ、原作を丁寧に最後まで読むと、踊子一行と別れた青年が、さびしさにいたたまれなくなって、ばったり出会った青年のマントの中にもぐりこんで、物語は終わっているのです。

「何もかもが一つに融け合って感じられた」という一文は、まさに腐女子必見!

もう踊子のことなんか、吹っ飛んでしまって、このあとどんな展開が繰り広げられるのか、二次創作の妄想が止まりません…。(選者:小林実)

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