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教育人文学部

読んではいけない「文学作品」


名作と言われて素直にそれをうけいれてしまって、本当によいのでしょうか?
もしかしたら社会に悪影響を及ぼす作品だってあるかもしれませんよ。
ここではそんな“迷作”を紹介します。
たまに選者の愚痴がまじっているかもしれませんが、それはご愛嬌ということでご寛恕を。
リスト内容は随時追加されますので、時々のぞいてみてください。
2026年月10月14日 更新

レフ・トルストイ「アンナ・カレーニナ」

幸福な家庭はすべて互いに似かよったものであり、不幸な家庭はどこもその不幸のおもむきが異なっているものである。(木村浩訳)

秋の夜長は、じっくり長編小説でも読みたいところ。ただし、“「好き」を究める”をキャッチフレーズにする文芸文化学科では、このトルストイの傑作は、おすすめしません。

だいたい、「好き」を究めたら満足しちゃいませんか?

冷徹なトルストイはハッキリ書いています。人妻アンナ・カレーニナと恋に落ちた青年ヴロンスキーが、彼女と結ばれたあとに気づいたことについて、「そうした欲望の実現は、前々から期待していた幸福の大きな山に比べれば、そのわずか一粒の砂をもたらしたくらいにしか感じなかった」って。

念のためにつけ加えておくと、そもそも不幸な夫婦生活を送っていたアンナは、家族を捨ててヴロンスキーと結ばれることで、むしろ深い幸福感にひたってますので、「好き」を究めて幸せになることはできます。

問題は、 「好き」を究めることを、ただの欲望の充足と取り違えたヴロンスキーの側にあるでしょう。この二人の気持ちの食い違いは、やがてアンナの鉄道自殺という最悪の結末をもたらすことになるのです…。

だから、うちの学科のキャッチフレーズに惹かれたという人には言っておきます。あなたのその「好き」を究めたいという気持ち、本当はただの欲求不満なんじゃないですか?
(選者:小林実)

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